タイの倫理感覚

これも駄目.jpgタイでテレビを見ていると画面にセンサー(ぼかし)が掛かることがよくありまます。飲酒、喫煙、暴力、銃器、肌の露出が主にその対象となりますが、日本人から見ると少し基準が厳しいかなと思ってしまいます。例えば、日本のアニメ「ドラえもん」でのび太のお父さん喫煙シーンはNG、海外の番組で「ポリフェノール」の特集ではワインのシーンがことごとくモザイク、アフリカの部族の紹介では画面の7割以上がぼかされ、一番笑ってしまったのがレディーボーイの某芸能番組のリポーターのセクシーな胸元が見えなかったときですね。

また、タイのローカル局は番組の前に内容や対象年齢を紹介することになっており、激しい痴話喧嘩が定番の夜のドラマは16歳以上などと事前に通達されます。

それらは全てタイの倫理観念に基づいたものですから、タイに住んでいる私は面白いなと思いつつ受け入れるしかないのですが、つい最近我が子も思わず笑ってしまった番組がありました。

バンコク週報WEB版より

6月17日にチャンネル3で放送された番組で自称芸術家の女性が乳房で絵を描くパフォーマンスを披露したことから、スクモン文化相が18日、これを問題視し、番組制作者などから事情を聞く意向を明らかにした。

今問題の胸で絵を描く女性.jpg同番組は、才能ある素人を発掘するという米英の人気番組「ゴット・タレント」のタイ版。チャンネル3の番組では、女性(23)がステージ上に設けられたホワイトボードに刷毛で人型の輪郭を描いたあと、上半身裸になって数色の塗料を胸にかけ、ボードに乳房をすりつけて抽象画のようなものを完成させた。審査委員3人のうち男性2人が合格とし、女性1人が強く反発して不合格としたが、会場はおおいに盛り上がった。

スクモン文化相は、「パフォーマンスは才能を示すためのものだろうが、裸の女性の姿がテレビで放送されるのは、タイの社会では許容できない」と述べている。

連日テレビや新聞をお騒がせ中の、タイで今最も話題の破廉恥ニュース。芸術と猥褻との境界線は難しいのでしょうが、乳房がどうと言う前に滑稽だと思うのですが、直近のところではテレビ局側によるやらせだった可能性があるという報道もあり、まだまだ落ちどころが見えない感じです。

新聞には絵の具まみれの女性の後姿からの写真しかなく、あまり倫理観に触れそうもない感じに見えますが、ふと同じ紙面に事故の現場の流血写真が出ていたり。今でこそ新聞に掲載される事故事件現場の死体写真にモザイクが掛かるようになりましたが、私としてはこちらにこそ倫理規制を掛けてもらいたいと思ってしまいます。

血なまぐさい写真、目を覆いたくなるようなこの手の写真は、タイのとある週刊誌にモザイク無しで載せられていますし、また街中の警察に事故への戒めとして大変痛々しい事故現場の写真がボードに貼られていたりします。またフェイスブック上で爆破事件の現場写真が回ってくることがあり、おぞましい限りです。

ネットの世界でも法律に基づいた規制があり、違反が認められた場合は削除要請がされます。

Newsclipウェブ版より

見れないサイトもあるようでうs.jpgインターネット検索大手の米グーグルによると、同社は2011年、傘下の動画投稿サイト、ユーチューブに投稿された動画374本について、タイ政府から、不敬罪に抵触する疑いがあるとして、削除を要請された。削除要請があった動画は上半期225本、下半期149本で、グーグルは上半期の要請分の90%以上、下半期の70%について、タイから閲覧できないようにした。

 不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者に対する批判を禁じたもので、違反した場合、1件につき最長15年の懲役刑が科される。反王室のイメージが強いタクシン元タイ首相派と特権階級を中心とする反タクシン派の政治抗争が激化する中、不敬罪は頻繁に適用されるようになり、今年5月には、不敬罪で服役中のタイ人男性が獄死した。男性は携帯電話で王室を批判するショートメッセージを4回送信したとされて懲役20年の実刑判決を受け、昨年11月から服役していた。

不敬罪のほかにも、一部の猥褻動画などはタイ国内からの閲覧が規制されています。タイに住んでいる以上はタイのモラルに乗っとってメディアを楽しむ必要があるということですね。