タイの和食ブーム

しゃりが大きすぎる所が多いな.jpg我が家では、日曜の夕方に親戚なども集まって外食に出かけるのが恒例です。タイ料理の場合は、人気独立店舗に行きますが、ここ最近はほとんどショッピングモールやデパートの日本料理ばかり。親族の中で唯一の日本人である私ですが、実は日本料理よりもタイ料理の方が好き!とは言えず、30歳前後チームの引率であちらこちらの日本料理を食べる日曜が続いています。

つい先週も、ラーメン、お好み焼き、寿司などが屋台村よろしくいくつかの店から取り寄せて食べられる店に行きましたが、とても美味しいとは言えませんでした。タイ資本の和食は、味よりもパフォーマンス重視のような気がしてならないのですが、思わず頷ける面白い記事がありました。

日刊SPAより一部抜粋

ここ数年、味つけの濃いタイ料理と比べ薄味なため、10年前まではタイ人にほとんど見向きもされなかった和食がタイでブームになりつつある。和食の店がメディアに紹介されまくり、若者の間で「和食ってイケてる」という風潮ができている。

 日本語を勉強中のバンクさん(26歳 男性・会社員)も和食好きのひとり。

「味は薄いけど、和食はおしゃれだから大好きなんだ」
タイの和食は値段が高いので高級料理のひとつとなる。内装も凝っているところが多いので、イタリアンやフレンチ同様におしゃれな店という位置づけでもある。この感覚もまたタイ人の足を運ばせる理由になっている。

大戸屋も高級扱い.jpg「大戸屋」によく行くという中華系タイ人のキムさん(34歳 男性・デザイナー)にも話を聞いた。
「大戸屋では鯖照り焼き定食をよく食べるよ。値段はちょっと高いけど、店の雰囲気もいいし。前はおいしいとは思わなかったけど、去年くらいから大戸屋の良さがわかってきたよ。和食は栄養も味もバランスがよくて健康的だし」

 流行に敏感なデザイナーだけあって、和食を食べる機会が多かったのだ。先のアピンヤさんは国際結婚のため和食に「慣れ」があったが、一般タイ人の中には流行に乗り遅れまいとわけもわからず食べているうちにおいしさに気がついた、というパターンもある。

 健康食として注目も集まる。タイ料理は脂っこいものが多い。そんな中意外な声を聞いた。

「あと、辛くないのも好きだな」というのは前出のバンクさん。
実は、バンコクの若者の間では「唐辛子離れ」が進んでいるのだ。
昔から、タイでは親が小さな子どもには唐辛子を抜くか少なめにすることは多かったのだが、それが甘やかし過ぎて大きくなるまで続き、辛いものを食べなくってきているのだという。

 タイ料理というと日本人にとっては「辛いもの」というのが定番イメージ。タイの人は当然辛いものが好きなんだとばかり思っていたが......。「若者の●●離れ」は日本でもしばしば言われる定番フレーズだが、よもやタイで「若者の辛いもの離れ」が起きていたとは!

大御所FUJI.jpgこのインタビューに答えている人は、いずれも「日本食=おしゃれ」と見ていますよね。タイ系和食レストランといえば、Fujiが大御所で有名ですが、日本から来てチェーン展開している「Yayoi」にしても、ちょっと日本では見かけないようなな内装ですよね。

また、日本ではひょっとしたら女性一人では入りにくい、安い旨い早いを売りにしているレストランが格上されての展開。上記の大戸屋を筆頭に、Coco壱番カレー、吉野家、リンガーハットなどいずれも若者が集まる人気エリアにはほぼ出店しています。

そして注目すべきは「若者の唐辛子離れ」。実は、私の友達のタイ人の男の子にも数人「辛いものが苦手」な人がいます。女性は「ソムタム(青パパイヤのサラダ)」など辛みの強い食べ物が得意な人が多いですが、一緒に食事をしているとお皿の端に綺麗に唐辛子を避けていたり、トムヤムクンが飲めない男の子がいたりするのです。

唐辛子大好きだけど.jpg面白いもので、35歳以上のタイ人と一緒に日本食を頂くときは、皆一様にわさびも唐辛子もがんがん使うのですが、それ以下の人達はそのままの味付けで食べるんですね。タイ人は「辛い」以前に「はっきりした」味を好むので、京風出汁の良さとかわかるのかと思うのですが、そこは「和食を楽しんでいる自分」という意識がカバーしているそうで、かつて日本で巻き起こった「イタリアンブーム」のときとノリが似ているよな。味も分からず、とりあえずグラスワイン片手にカップレーゼとか食べるのがおしゃれだと思ってましたからね。

とは言っても、日本料理はFujiのCMでも言われているように、品目が多くバランスもよく健康的。義母や親戚のおじさんおばさん達は醤油やソースで味を足しながら嬉しそうに食べています。でも、さすがに今度の日曜日はタイ料理がいいな・・・。