タイ人と歯

我が家のタイママは、食事が終わると必ず「水を飲みなさい」と言います。それは、口の中をゆすぐため。タイ料理は日本の食事よりも圧倒的に砂糖を多く使いますから、虫歯予防がまず第一の理由。そしてもうひとつ、カレーや炒め物など濃い色が多いタイ料理から白い歯を守るため、という理由があります。

タイに通い出した頃、タイ人は皆歯が綺麗だなあ、というイメージを持っていました。「微笑みの国」の住人タイ人が笑うと白い歯がキラリと覗く。

しかしそれは、小さい頃から食べたら必ず水を飲むこと、そしてプラスアルファの歯のお手入れによる賜物だったようです。

歯磨きで白くなるかしら.jpg食後の水だけでなく、しっかり歯磨きをすることが最も大事ですが、以前子供と一緒に歯磨きをしていたら歯に電気が走るような痛みを覚えました。タイに引越してくる前に、歯の治療は完璧にしてきましたし、タイ人の家族に習って歯のケアはしっかりしてきたつもりですから、まさかとは思いつつ初タイ歯科に行くことに。

日本での歯医者のイメージって、1回10分程度の治療のために何回も通わないといけない。ですから、子供がまだ小さい頃に歯医者通いは避けたいと思いながら出掛けました。郊外の幹線道路にいくつか支店がある、歯のマークが目印の大きな病院だったのですが、まず入ってみるとやたらと広い。待合室は、さながら子供のプレイランド。大人用にも、本、雑誌、飲み物などなどがそろっていました。

初診時は予約無しでしたが15分ほどで呼ばれました。旦那と子供を待合室に残し部屋に入っていくと、男の先生と横に助手の女性が2人いました。部屋の雰囲気や器具の感じは日本の歯科医院となんらかわりません。

まずは症状を話し、早速口の中を見てもらいました。すると、私が痛みを感じたのとは別の場所に虫歯がありました。二つの歯にまたがった虫歯。奥歯ですし、まだ小さかったので自覚症状はなかったのですが、まずここを治しましょうということになりました。日本での経験から簡単に見積もって3回くらい通えば終わるかな、なんて考えていたら、

先生「2箇所で2千バーツ、30分程度で終了します」

私「え?今日一日で完了するんですか」

先生「はい、そうですよ」

治療費は日本より高いですが、1回完結というのはすばらしい。

センソダイン.jpg歯医者ってこんなに簡単だったんだ、と思ってしまうくらい、あっという間に治療が終わり、激痛が走った歯に関しては、虫歯ではなく知覚過敏になりかけているとのことで、知覚過敏専用の歯磨き粉を勧められました。帰りにスーパーで先生一押しの「Sensodyne(センソダイン)」というアメリカのメーカーの歯磨き粉を購入。

フッ素配合で知覚過敏にも対応した歯磨き粉。日本では「シュミテクト」の名称で売られています。日本にいた頃は使ったことがありませんでしたが、実際にセンソダインで歯磨きをするとあの激痛はなくなり、それ以来ずっとこのメーカーのホワイトニングを使っています。

ホワイトニングといえば、タイには審美歯科が非常に多くあります。特にスクンビットエリアには、歯のクリーニング、ホワイトニングをメインにした歯科が多くあり、在タイ外国人や旅行者にも人気があるようです。

Laser Whitening.jpg私も以前、トンローのとある審美歯科で「レーザーホワイトニング」をしたことがあります。日本にいる頃は、寝るときに自分の歯専用の方にホワイトニング剤を入れて歯にはめるホームホワイトニングを試したことがありますが、こちらは1回で白くなる、いやなれるはずと試してみることに。

所要時間1時間少々、レーザーを使うので目にマスクをして、日本人の通訳の女性がそばに寄り添ってくれながらの処置で7千バーツ。個人差があるらしいのですが、私は思ったほど白くならなかった。もっと劇的な変化を期待していただけに、ちょっと拍子抜け。先生いわく、ホームホワイトニングも継続するようにとのことでしたが、結局今はセンソダインのホワイトニングだけです。

歯を大事にする我が家のタイママも、家族全員センソダイン。タイママなんか、ちょっとでも歯に違和感があるとすぐに歯医者へ。靴好きな私に「いい靴も大事だけど、もっと歯に投資したほうがいいわよ」って言われてますから。そんなタイママに育てられた旦那も、義理の姉もそういえば虫歯知らず。笑うと白い歯が覗く。美しい笑顔は美しい歯から。子供にもしっかり受け継いでいきたいと思います。