タイから日本に来て、懐かしいなと思ったもの。まずは「ホウキ&ちり取り」。日本の一般家庭の掃除道具と言えば「掃除機」が主流ですが、床がタイルや石作りのタイの家ではまだまだホウキを使うところが多い。
次は「蚊取り線香」。年中夏ですから年中蚊がいる。蚊を媒体とするデング熱なんていう怖い病気もありますから、蚊避け対策は大事なんですが、一番メジャーなのが蚊取り線香。パッケージには、2枚のシートが合体して入っているのですが、初めての時はそれを1枚ずつにするってのを知らずに火を点けてタイママをびっくりさせました。
そして今回のお題でもある「扇風機」。最後に見たのがいつかも覚えていないくらい、日本、少なくとも私の周囲からは姿を消していた生活家電。
それがタイの家では、あるのが普通で無かったらおかしいくらいの超必需品。結婚前、私のアパートに遊びにきた旦那が「何で扇風機ないの」と非常に驚き、夜は冷房をおやすみタイマーにして寝ると言ったら「冷房が切れたらどうやって呼吸するの」とまで言われましたから。
タイは一年中夏ですが、だからといって一般家庭でも常に冷房を点けているかというとそうではありません。たとえば我が家では、午前中の涼しい時間帯はオフ、日中陽射しが強く気温が高い場合はオン、夕方には消して外で夕涼み。熱帯夜な日は夕飯を食べる頃、もしくはベッドに入る頃から再びオンにしてお休みタイマーで自動的に切れるようにしています。
扇風機は空気の循環を作り出してくれますから、雨の日や乾期など外が涼しいときは窓から入ってくる涼気を部屋に入れるために使い、ホットプレートで焼肉パーティをするときなどは換気の役割を果たし、冷房を入れた直後はいち早く部屋を冷やすのに高い位置で回します。
自然の空気から作り出される風ですから、冷房直撃時みたいな不自然な冷え方や、それに伴う喉の痛みなんかはありませんし、スウィングにしておけば爽やかな空気が万遍なく流れます。
今となっては、これだけ扇風機の良さを実感しているわけで、日本の実家に一時帰国したときに無理やり母に扇風機を買わせたほど。外から入ってくる風が無ければ、冷房を点けてない間の室内は無風ですからね。そうそう、この「無風状態」がタイ人は嫌いなようで、風が無いと息苦しく感じるみたいです。
さて、今年の日本の夏は東日本大震災の影響で「節電」が必須となっています。梅雨明けする前からすでに猛暑が始まっているようですが、かといって例年通りに冷房を点けまくるわけにはいかない。そこで、扇風機が見直され需要がかなり高まっているようです。
産経関西より一部抜粋
『全国的に夏場の電力不足が懸念される中、暑い日が続く関西でも、消費電力が比較的小さい扇風機が売れている。家電量販店では品切れが続出するなど、本格的な夏を前にして早くも供給不足が心配されている。
「ご迷惑をおかけしますが、再入荷については未定です」。大阪市北区の「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」では扇風機の在庫がなくなり、販売担当者が顧客への対応に追われる。夏に売れる扇風機は通常、5月の大型連休明けから商戦が始まる。だが、今年は、1カ月前倒しで販売台数が伸びているという。
調査会社のGfKジャパンが27日発表した全国家電量販店の扇風機の販売動向によれば、4月は前年同月比で約4・6倍、5月も約4・5倍と大幅に台数が増加した。6月も19日までで、前年同期に比べて約1・7倍に増えている。
扇風機が売れているのは、エアコンより消費電力が少なく「価格も20分の1程度のため、手軽に節電対策できる」(GfKジャパン)からだ。節電対策で冷房の温度を高めに設定する企業や官公庁が多いが、扇風機を併用すれば、体感温度を下げられることも人気に拍車をかける。』
友人も扇風機在庫少ないとつぶやいていましたが、省エネにもつながるこの家電が今再び注目されているんですね。我が家には各部屋最低1台。家族の人数で割ると1人1,5台所有していることになります。首が長いもの低いもの、壁や柱の高い所にくくりつけたもの、照明とセットになって天井で回すタイプもありますし、縦長のデザイン重視(だけど風はいまいち)のものもあり。
日本には羽が無い扇風機や3万円以上もする豪華扇風機もあるそうですが、タイには超小型持ち運びタイプや、冷たいミストが流れるタイプなんかもあります。
上手に扇風機を使って、暑さを乗り切りたいですね。