タイ初の女性首相誕生 1

タイ初女性首相に.jpg夏の一時帰国からタイに戻ってきた日、タイでは大きなニュースがありました。先月の総選挙で勝利を収めたタイ貢献党が、タイ初の女性首相となるべくインラック氏を新首相に選出しました。

Newsclipウェブ版より

タイの議会下院(定数500)は5日、首相指名投票を行い、タクシン・チナワット元首相(62)の妹でタクシン派政党プアタイのインラク・チナワット氏(44)を賛成296票で首相に選出した。インラク氏はプミポン国王の承認を受け、首相に就任する。タイの首相に女性が就くのは初めて。

インラク氏は政治経験がほとんどなかったが、公職追放処分と汚職で有罪判決を受け国外滞在中のタクシン氏が7月3日の下院総選挙を前にプアタイの比例代表1位に抜てきした。インラク氏は選挙戦でタクシン氏譲りのカリスマ性を見せ旋風を巻き起こし、プアタイは総選挙で過半数を獲得、政権与党の民主党を大差で破り、政権に復帰した。

 タクシン派は2006年に軍事クーデター、2008年には司法判断により、政権を追われたが、2001年以降、選挙では連戦連勝中だ。ただ、特権階級を中心とする反タクシン派は反王室的な色合いが強いタクシン派に対する警戒を緩めておらず、インラク政権発足後も、軍、司法などを通じ、タクシン派潰しに動くとみられる。

ティーラチャイ氏.jpgインラク内閣の経済政策の鍵を握る財務相にはティーラチャイ・タイ証券取引委員会事務局長(59)、反タクシン派の軍との交渉役となる国防相にはユタサク元国防次官(74)が有力視されている。ティーラチャイ氏は英ロンドン大学経済学部卒。タイ中央銀行副総裁を経て、2003年から証取委事務局長。5日付で証取委に辞表を出した。

 日本の各紙面でもタイ初の女性首相に関するニュースが取り上げられています。

毎日新聞より

タイ初の女性首相に就任したインラック・シナワット氏(44)。「インラック旋風」を巻き起こした秘訣(ひけつ)は、その親しみやすさとかわいらしさだ。「物価は上がるのに収入は増えず、生活は厳しくなるばかり。チャイマイ・カー?(そうでしょ?)」。やや舌足らずの甘い声を精いっぱい張り上げ、アイドルタレントのような仕草で指を突き上げる。総選挙の雰囲気を一変させ、タクシン派「タイ貢献党」に地滑り的勝利をもたらした。

 政治経験ゼロで臨んだ総選挙。当初は演説も原稿の棒読みで頼りなかったが、みるみる上達した。インタビューでは相手の目を見て、誠実に回答する。一方で「想定問答」からは外れず、失言や放言は一切ない。華やかな外見とは対照的な慎重、堅実ぶりだ。

エリートですよね.jpgタイ有数の大富豪タクシン一族の末の妹として米国留学後、タクシン系大企業の経営者を務めた。英オックスフォード大出身のアピシット前首相に引けを取らない「セレブ」だが、エリート臭が抜けない前首相に比べ、低所得層にも溶け込んだ。その親しみやすさが本人の地なのか、イメージ戦略に基づく演技なのかはわからない。

 ビジネスマンの夫と長男の3人家族。夫とは事実婚。「シナワットという元首相と同じ名字を残すために入籍しない」との批判に「気持ちがつながっていれば紙(戸籍)の関係は重要ではない」と反論している。

タイ国民を2分したと言っても過言ではないタクシン氏の妹とはいえ、女性リーダーがタイの政治に新しい風を吹かすのではないかと、赤組も黄組も、そしてそのどちらでもない層も期待しているような感じがします。

最初の記事には、インラック氏潰しの動きを懸念する件がありましたが、まずは彼女にやらせてみよう、少なくとも選挙を経て、国民の支持を得て首相に就任するわけですから、ここ数年続いた政治のごたごたの収束を見守ろう、という気概があってもいいのではないでしょうか。