改憲が容認されました

元首相タクシン氏をめぐり、国も国会も二つに割れて久しいタイですが、ここのところ再び両派が一触即発に近い状態が続いていました。タクシン派、所謂赤シャツは12日夕方にラーマ5世の騎馬像前からデモをスタート、一方反タクシン派は13日に、チェーンワタナーの政府合同庁舎内の憲法裁判所で集会を行いました。

このブログでも、経緯を書いてきましたが(http://www.thaiworker.net/cat592/taksin-behind-the-scene.html)タクシン氏帰国への足取りともなる国民和解法案成立に向けての憲法改正に違憲性は認められないという判断が下されました。

Newsclipウェブ版より

タイ憲法裁判所.jpg政権与党プアタイなどタクシン元首相派が国会で進める憲法改正の動きに対し、反タクシン派の野党民主党などが「改憲は立憲君主制の転覆を狙った違憲なものだ」などとして、憲法裁判所に改憲の国会審議中止とプアタイの解党を求めた裁判で、憲法裁は13日、改憲自体は合憲で、立憲君主制の転覆が狙いという訴えは証拠が不十分だとして、訴えを退けた。タクシン派との対立が目立った憲法裁がこうした判断を下したことで、政局が一気に不安定化する危険は回避された。ただ、憲法裁は「新憲法の制定には国民投票が必要」と釘を差しており、改憲の方法、行程については国会で再度審議される見通しだ。

 タイの裁判所はタクシン派と反タクシン派の抗争が激化した2006年以降、タクシン派が勝利した2006年下院総選挙の無効化、タクシン派政党の2度にわたる解党、タクシン派首相の事実上の解任など、一貫してタクシン派に不利な判決を下してきた。特に憲法裁は強引ともいえる憲法解釈が目立ち、タクシン派市民の間で司法への不信が強まっていた。こうした経緯から、今回も憲法裁がタクシン派に不利な判決を下し、タクシン派市民のデモなどで政情が不安定化するという懸念が出ていた。タクシン派市民団体は判決前、改憲禁止、プアタイ解党となれば、数十万人規模の反対集会を開くと警告。プアタイの下院議員は「内戦がぼっ発する」「憲法裁判事はタクシン派市民に逮捕されるだろう」などと、脅しとも取れる発言をしていた。

 タイの現行憲法は2006年の軍事クーデターでタクシン政権を追放した反タクシン派が制定したもので、任命制の上院議員、憲法裁、選挙委員会などを通じ、反タクシン派が政治介入しやすい仕組みになっている。タクシン派は改憲による反タクシン派の司法・政治への影響力排除を狙い、新憲法案を起草する憲法起草議会を設立するための憲法291条改正案を国会に提出したが、同改正案は第3読会の採決直前の6月1日、違憲かどうかの判断を下すまで審議を中止するよう憲法裁が命じ、改憲の動きは暗礁に乗り上げていた。

 タイでは過去数年、地方住民、中低所得者が多いタクシン派と特権階級を中心とする反タクシン派の抗争が続き、政治・社会が混乱している。反タクシン派はタクシン氏を反王室、腐敗政治家と糾弾。一方のタクシン派は特権階級が軍官財界を動かし民主主義や法治をねじまげていると主張している。タクシン派は2006年のクーデターと同派解党を命じた2008年の司法判断で、2度、政権を追われたが、総選挙では2001年、2005年、2007年、2011年と4連勝中だ。激しい政争の中、2006年、2008年には反タクシン派、2009年、2010年にはタクシン派による大規模なデモがあり、2010年にはデモ隊と治安部隊の衝突で、市民、兵士ら91人が死亡、1400人以上が負傷した。

どこでこの結果を知ったのだろうか.jpg大方が、親反タクシン派の衝突を避けるための判断だと理解しています。今回の結果はタクシン派にとって圧倒的に有利と言うわけではなく、憲法改正には国民投票の条件付きですから、今度こそ国民の真意を軸に政治が変わっていくことができたらと思います。

また今回の司法判断を受けて政治混乱が避けられるとされ、株価も上昇しているとのことです。

EMeyeより

タイ憲法裁判所は13日、政府の憲法改正案は違憲だとする野党の訴えを却下する一方、改憲に向けて政府は国民投票を実施する必要があるとの判断を下した。
 
 違憲と判断され与党・貢献党が解党に追い込まれれば、政局が大混乱に陥りGDP(国内総生産)の押し下げ要因になるとの懸念があっただけに、政府にとって最悪の結果は免れた格好だ。タイ株式市場では判決が好感され、主要株価指数のSET指数が上げ幅を拡大。前日比1.44%高の1210.29ポイントで取引を終えた。

 タイの現在の憲法は、06年にタクシン元首相をクーデターで失脚させた軍部が起草に関わり、国民投票を経て成立したもの。タクシン元首相の妹であるインラック現首相は民主主義的な憲法に改正する必要があると主張し、野党がこれに反対していた。憲法が改正されれば、亡命中のタクシン元首相のタイ政界復帰につながるとの懸念もあるようだ。

 現地メディアの報道によると、憲法裁判所の前に集まっていたタクシン派グループの通称「赤シャツ隊」は野党の訴えを退けた判決に歓喜した。もっとも、今後も国民投票をめぐる与野党間の対立で紆余曲折が予想される。

まだまだ道は険しいのかもしれませんが、ひとまず国民に判断が委ねられるというのは、明るい感じがしますね。