タクシン氏帰国か

12月5日は国王お誕生日.jpg来月12月5日はプミポン国王のお誕生日で祝日です。この日は国民の父の日であり、国をあげて祝福をします。ようやく収束の目処が立ってきたバンコクの洪水ですが、政府は国民全員が晴れた気持ちでお祝いできるようにと、なんとかこの日までにある程度の回復を目指しているのではないでしょうか。

がしかし、政府がこの大事な日に目指しているもっと大きな山がありました。8月にインラック氏が首相に就任してから、じりじりとタクシン寄りの政権を組み立て、兄の帰国に向けて足場を作っているような動きが見られましたが、未曾有の災害で国民の目がすっかり洪水に向けられたその水面下で・・・

昨日突然飛び込んできた「タクシン元首相に恩赦例か」のニュース。いつの間にと思った人も多いのではないでしょうか。

ウォールストリートジャーナルより

タイ政府は16日、定期的な恩赦の勅令案が前日に閣議承認されたのを受けて、有罪となった犯罪者の恩赦条件など細目を検討していることを明らかにした。恩赦条件次第では、追放されて国外にいるタクシン元首相(62)が逮捕・拘留されることなく帰国できる可能性が出てくるわけで、過去最大の洪水被害に苦闘している同国で新たな不安定要因になる恐れもある。

 タイでは過去数カ月間、タクシン氏の妹であるインラック首相率いる政権が、国民の尊敬を集めるプミポン国王の来月の誕生日を使って恩赦の勅令を出し、タクシン氏を帰国させようと画策するのではないかとの憶測が強まっていた。タイ当局は同国王の誕生日に合わせて恩赦を実施することがしばしばだからだ。タクシン氏は軍事クーデターで首相の座を追われた2年後の2008年、汚職で有罪となった。同氏は罪は濡れ衣と主張し続けている。

 しかし、タクシン氏が恩赦の対象になるとすれば、それは過去からの大きな方向転換になる。通常、逃亡者は恩赦の対象にされないからだ。タクシン氏は近年、収監を逃れるためドバイに住んでいる。

 加えて、タクシン氏が恩恵を受けるためには、収賄罪で有罪となった者も恩赦対象とされる必要がある。収賄罪を犯した者は、最近の一連の恩赦では対象とされていなかった。

声がでかいチャルム副首相.jpgチャルーム副首相は16日記者会見し、前日の閣議では恩赦の条件を討議したが、その際、インラック首相は洪水から復旧しようとする地方を視察しており、閣議を欠席したと述べた。チャルーム副首相はまた、今年の恩赦条件を説明するのを避けた。恩赦は12月5日のプミポン国王の84回目の誕生日に発表される。

 閣議が承認した恩赦勅令案は今後、政府の法律助言機関である枢密院の承認とプミポン国王の認可も必要だ。これは通常は形式上の手続きだ。ただ、同国王は2009年以降バンコクの病院に入院中で、過去数週間、健康状態が悪化しているため、手続きは複雑になる可能性もある。

 一方、インラック首相は16日、閣議での恩赦の討議内容を知らないと述べる一方で、同政権が何を選択するにせよ、それは法に順守したものになろうと語った。

 野党勢力は、インラック首相が地方視察中に政府がタクシン氏の恩赦の可能性を閣議で討議したことを批判した。首相が欠席したのは、恩赦提案に伴う反発ダメージからインラック首相を守る意図があるとしている。兄のタクシン氏は国外逃亡から5年間経った現在も、タイ政界を分断する人物だ。タクシン氏は首相在任中、ポピュリスト(大衆迎合主義)的な政策を実施し、国軍指導者と官僚が伝統的に支配するタイ政治の手法を変えた。

 昨年には、何万人ものタクシン氏の支持者たちが数カ月間、バンコクでデモ行進し、街頭で衝突事件が発生。90人以上が死亡した。死亡者のほとんどはデモ参加者で、発砲した軍の将校はいまなお説明責任を果たしていない。

 既にタクシン氏反対派の急先鋒は、同氏恩赦の可能性に反対を表明している。

 野党民主党のアビシット党首(前首相)は、タクシン氏を恩赦の対象にすれば、タイで新たな政治危機が発生すると警告した。

洪水が去ってもタクシン氏がやってくるとしたら、またこの国は荒れてしまうのではないでしょうか。野党もそれを危惧してか、猛反発しています。

バンコク週報WEB版より

兄弟愛ですか.jpg関係筋によれば、チャルム副首相を議長として開かれた11月15日の閣議で、国王陛下誕生日(12月5日)を祝って犯罪者を釈放する恩赦案が了承されたという。これに対し、最大野党・民主党が、「国外逃亡中のタクシン元首相の免罪が目的だ」などと批判している。

 陛下の誕生日にはこれまでにも同様の恩赦が行われている。その適用条件であるが、前民主党政権下では「汚職関連は除外。刑に服していない者も除外」とされていた。しかし、今回のものは「60歳以上で刑期が3年以下」となっており、タクシン元首相(62)も恩赦対象に含まれる。

  また、関係筋によれば、恩赦案は今回の閣議で取り上げることが予定されておらず、閣僚以外は全員退室させて検討、了承されたとのことだ。なお、「インラック首相(元首相の実妹)は閣議で議長を務めることも可能だったが、批判を避けるため、意図的に帰京を遅らせた」との指摘もある。一方、インラック首相は報道陣に対し、「閣議で恩赦案が取り上げられるとは知らなかった。(議長を務めた)チャルム副首相に聞いてほしい」と、同案に言及することを避けている。』

首相「知らなかった」って・・・はったりとしか思えません。国民が天災で苦しんでる中だというのに、お兄ちゃんではなく国民のことをもっと大事にしてもらいたいですね。