洪水復興 7

進んでくれ.jpg避難先から自宅に戻って1週間、すっかり洪水以前の生活に戻りました。子供の学校はまだ臨時休校中なので、体力を持て余した子供を連れてデパートや遊戯施設、また恒例の家族揃っての外食で都心にも何度か出かけてきましたが、車の渋滞が激しいこと。これはひょっとすると洪水以前よりもひどいのではと思うほど、日中も夜間も混雑しています。洪水騒動の間、動くに動けなかった人や仕事や物がいっせいに動き出したのでしょうか。

タイの経済、日本の経済にも大きな影響を及ぼした今回の洪水ですが、復興に向かって街全体が動いているのが感じられます。

今回の洪水で多大な被害を受けた工業団地にある日本の会社のひとつ、HONDAも大変な損害を受けました。

ロイターより

2階部分がわずかに見える程度に冠水.jpgホンダのタイ現地法人、ホンダ・オートモービル(タイランド)は29日、洪水の影響により、同社の2011年通年の販売台数が例年の12万台から30%減少するとの見通しを示した。Pitak Pruittisarikornエグゼクティブ・バイスプレジデントが語った。

 また、中部アユタヤ県にあるロジャナ工業団地<ROJNA.BK>の冠水により売り物にならなくなった新車「数百台」をスクラップ処分にする計画も明らかにした。団地内にある同社工場(年産能力24万台)は10月上旬以降、操業を停止している。

工場にとって操業できないということは、致命的です。これに対し、タイ政府は特別措置に出ました。

Newscipウェブ版より

タイ政府は29日の閣議で、タイ中部の洪水で被災した工場の復旧を支援するため、破損した製造機械・部品の代替・修理品や、国内で製造できなくなった完成車、自動車部品の輸入関税免除を決めた。政府が指定した洪水被災地に工場がある事業者が対象で、期間は2011年10月25日から2012年6月30日まで。

 完成車については、中部アユタヤ県の四輪工場(年産能力24万台)が水没したホンダ1社が対象で、被災した工場で製造していた車種と同じもしくは類似の車種の関税が免除される。

これくらいだったら2軒買えます.jpgタイは自動車の価格が高い。HONDAをはじめ日本の大手やシボレー、フォードなどもタイに工場を持ち、こちらで組み立てをしてタイ国内市場用の車を生産していますが、それでも生活感覚で見た場合の車の価格というのは、車種によっては土地付き一戸建てとさほど変わりません。ですから先の洪水でも、せめて車だけは守ろうと、高速道路や高架の上に避難路上駐車する人が続出したのです。

これが輸入車ともなると、さらに大きな大きなお買い物となります。関税がほとんどなのでしょうが、本国での販売価格の3~4倍に跳ね上がり、ヨーロッパの高級車ともなると1000万バーツ超えもあるそうで、車一台で土地付き2階建て住宅が3軒ほど買えてしまいます。

また、工場が閉鎖されると会社側は商品を生産できず利益を生めない苦しみがあり、雇われている一人一人の従業員には「失業」という大きな問題が立ちはだかります。

バンコク週報WEB版より

政府のシンクタンク、国家経済社会開発委員会(NESDB)では、大水害の影響で操業停止や売り上げ減少に見舞われている企業が少なくないことから、今年第4四半期の失業率が1・8-2・3%に達すると予測している。

 この数字は、73万-90万人の失業を意味しているが、その内訳は、近隣国からの出稼ぎ労働者など外国人40万-60万人、タイ人約10万人となっている。

車工場で働く人.jpgまた、洪水がピークを過ぎたことから、操業を再開している事業者もあるが、電子・自動車業界では来年初めまで失業率が高い水準で推移するものとみられている。

今回の洪水では、冠水道路の中でも走っていけるピックアップや四輪駆動車などが大変重宝しました。来月のモーターショーでの受注も含めて、また新しい車の需要が見込まれますが、そこで働く人も会社を立て直す側も一丸となってがんばっていって欲しいものです。