洪水復興 6

水は引いても衛生面に注意.jpg洪水が起きると、必ず懸念される衛生面の問題。傾斜の少ない土地を、あらゆるゴミとともにゆっくり漂い流れてきた洪水の水は、熱帯の日差しを浴びて腐敗しています。近くにいくとわかりますが、その水は異臭を放ち、かつて水に浸かっていた場所の壁や土嚢には緑や茶色の線がこびりつき、水が引いた後もヘドロが道路に拡散された状態です。

私が住む住宅街の水は1週間前に引きました。その後立て続けに二日連続で区の職員が来て、道路清掃と、殺菌の薬を撒いていきました。我が家も含めてほとんどのお宅が土嚢を片付けていますが、土嚢の隙間に害虫や小動物が潜んでいることが多いそうです。しかしこの土嚢、どうするのでしょう。旦那は来年用にと、とりあえず駐車場の一角に積んではいますが、工事業者などがリサイクル用にと回収したりしないのでしょうか。

このように、洪水は水が去っても確実に爪あとを残していくものですが、一番恐ろしいのが目に見えない病原菌です。洪水となる前に、区が応急セットを配りに来たときに、しきりと「ねずみに注意してください」と言っていましたが、ねずみを媒体とする感染症がバンコクの郊外で確認されました。

Newsclipウェブ版より

バンコク郊外のパトゥムタニ県でレプトスピラ症の感染者がみつかり、タイ当局が警戒を強めている。感染が確認されたのは同県サームコーク郡在住のタイ人男性(51)。パトゥムタニ県では2010年にはレプトスピラ症の報告がなかった。

ねずみを媒体とするレプトスピラ病.jpgレプトスピラ症はネズミ、ブタなど保菌動物の尿で汚染された水や土壌、食物から、皮膚、口を通じ感染する。風邪に似た症状で終わる軽症型から腎障害をともなう重症型まで症状は様々で、早期の治療が望ましい。タイでは雨期が本格化する下半期に患者が増える。

 今年1月1日―11月18日にタイ国内で確認されたレプトスピラ症の感染者数は3035人で、このうち59人が死亡した。タイ政府は中部を襲った大洪水でレプトスピラ症が流行する恐れがあるとみて、状況を注視している。

日本人にはちょっとなじみのない感染症レプトスピラ症について調べてみました。

東京都感染症情報センターより

1)レプトスピラ症とは

レプトスピラ症とは、病原性レプトスピラを原因とする人と動物の共通感染症です。風邪症状のみの軽症型から、黄疸・出血・腎不全までを伴う重症型まで様々な臨床症状を示し、重症型については「ワイル病」と診断されます。
 典型的には、3~14日間の潜伏期間の後、発熱・悪寒・筋肉痛・結膜充血などが生じ、その後重症化すると黄疸・出血傾向などがみられます。

2)原因と感染経路

病原性レプトスピラ(スピロヘータの一種)を原因とします。病原性レプトスピラは、ネズミなどのげっ歯類をはじめ、多くの野生動物やウシ・馬などが保菌しています。
 保菌動物の腎臓に定着し、尿中に排菌されるため、ヒトは、この保菌動物の尿、あるいは尿で汚染された水や土壌と直接接触することによって感染します(経皮感染)。また、この尿で汚染された水や食品を介した感染の報告もあります(経口感染)。
 川でのレジャー・農作業等で保菌動物の尿に汚染された水と接触すること、家屋などに出たネズミと直接・間接に接触することが感染機会となります。ヒトからヒトへの感染はありません。
 厚生労働科学研究報告によれば、都内で捕獲されたドブネズミからも病原性レプトスピラが分離されており注意が必要です。

3)治療法

抗生物質による治療を行います。腎不全などを生じた場合は血液透析を行うこともあります。

4)予防法

日常生活においては、野生のネズミとの接触を避けることが必要です。また、側溝や下水道の清掃を行う場合は、ゴム手袋を使用し、素手で汚水に触れないよう注意しましょう。また、レジャーや農作業などでは素足で長時間水田や川に入らないようにしましょう。

Danger mouse.jpgねずみなんているの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、バンコク都心部ではむしろよく見かけます。雨宿りをしていたら、目の前にあるコンビニの前に敷かれたすのこの下からねずみの大群が出てきたり、飲み屋街などでは夜になると普通に道路を横断する姿を見かけます。ふたのない下水溝から這い上がってきたねずみ、洪水後の今は特に危険ですので、しっかり気をつけていきたいと思います。