洪水復興 3

乾いた道路.JPG避難先から帰ってきて、ようやく庭やしばらく使っていなかった部屋の掃除が終わり、今日実に3週間ぶりに家のPCからこのブログを書いています。思った以上に片付けに時間が掛かりましたが、家というのは住人がいないとどんどん錆びていくものなんですね。

我が家は2世帯住宅なので、一足先に避難所から戻った義母が暮らす母屋はよかったのですが、私たち親子の離れの家は、空気の入れ替えは時々していたものの、天井にはくもの巣が張り、とりあえず高いところに上げていた家電は埃をかぶり、すっかり廃墟っぽい様相となっていました。洗濯機に至っては、たった3週間回していなかっただけで不調をきたしてましたからね。

住宅街のほかのお宅を見ても、避難先から帰ってきたお宅、避難しなかったお宅、ともに連日朝早くからお掃除をしているようでした。道路の上に漂っていた水は見事に引いていきましたが、残骸物がやっかい。マスクでしっかり鼻と口をして箒でかき集めゴミ処理しました。土のような藻のような、どんな有害物質が含まれてるともわからない残骸物ですからね。

私が住むバンコクの東側は水の引きが早かったのですが、西や北の地域ではまだ水かさの高い洪水が続いています。漂う水は、太陽熱で腐敗しており、また乾いた後にあれだけのカスとなったものが含まれています。そんな水がただただ漂っている、そんな状況に追い込まれている人たちがいます。

以下すべてバンコク週報WEB版より一部抜粋

ノンタブリで長引く洪水.jpg11月20日、バンコク北部ドンムアン区とバンコクに隣接するノンタブリ県の住民数百人が、冠水が長期化していることに耐えかねて、バンコク都庁に対し、複数の運河の水門を開放することを求めた。さらに、他のエリアを浸水から守るために犠牲になっているとして追加の賠償も要求した。住民らは、要求が受け入れられない場合、防水堤を破壊するなどの実力行使に出るとしている。』

実は、旦那の友人も一人このエリアに住んでいます。タウンハウスという集合住宅タイプの持ち家なのですが、駐車場と1階が全滅状態とのこと。いつまで経っても水が引かず、腐った水が壁や床を浸食しているらしく、衛生面健康面の心配から奥さんと子供たちは他県に非難させたそうです。しかし、このエリアの洪水はバンコク都心部を守るために犠牲になっているとも言え、その友人も今回の抗議運動に参加し、無事水門が開かれることにまりました。

バンコクに隣接するノンタブリ県などの住民が洪水対策のせいで長期にわたり浸水を余儀なくされていると訴えていた問題で、11月22日、 住民数百人が県庁舎前に集まって気勢をあげるなか、同県庁、バンコク都庁、水害被災者救援センター(政府の洪水対策本部)は住民の要求を入れてマハサワット運河のすべての水門の開門幅を広げることに同意した。

しかしながら、現実は一向に水が引いていきません。

バンコクに隣接するノンタブリ県の洪水被災者らが11月23日、同県住民がバンコク都庁の洪水対策で被害を受けているとして、バンコク都庁の権限縮小を行政裁判所に求めた。
 現行法では、都庁は、他県であってもバンコクに隣接するエリアについては洪水対策の決定権を有するとされている。

 都庁は現在、ノンタブリ県で国道340号線とカンチャナピセーク通りを浸水から守る対策が講じているが、地元住民らはこれによって住宅の浸水が長期化していると反発。住民のひとりは、「バンコクでは水が引き始め、清掃作業が行われているのに、われわれはいつになったら洪水から解放されるのかもわからない。バンコクの住民だけを優遇すべきでない」と訴えている。

バンコクの北隣パトゥムタニ県で11月23日、長期間にわたり浸水を強いられている住民数百人が、速やかな支援と排水を政府に求め、ドンムアン高速道路の入り口(ジアランシット・デパート前)を封鎖したことから、周辺道路は大渋滞となった。

エスカレートする抗議活動.jpg困ったドライバーたちが住民らに封鎖を解くよう求めたが、話し合いがこじれ、激高した者たちが車のフロントガラスを割るなどの行為に出たことから、警官隊が出動する事態となった。

 また、ほぼときを同じくして、バンコクのドンムアン区では、同区とサイマイ区の住民数千人が当局との話し合いが決裂したことから、大型土のうで築かれた防水堤を撤去。サパンマイ地区に大量の水が流れ込んだ。

 都庁首脳は、「防水堤が壊されたことで全体的な排水が遅れ、結果的に浸水が長引き市民はさらなる困難を強いられることになる」と説明するが、とりわけパトゥムタニ県やバンコク北部では、浸水に苦しめられてきた人々の忍耐は限度に達しており、防水堤破壊といった実力行使は今後も頻発しそうだ。

家の前の水は引き、元の生活ができているここの住宅街から続く幹線道路の一部は、未だに70センチの冠水で道路が封鎖されています。封鎖に使われている土嚢が撤去されたら、再びこのエリアも洪水となる可能性があります。しかし、その土嚢をどかさないばかりに被害に遭ったままの家もある。運命の分かれ目は運でなく政府の操作によるもの、難しい問題です。