VAT(付加価値税)増税か

税率アップですか?.jpg最低賃金アップ、1台目の車と住宅購入時の免税などなど、国民に嬉しい政策を次々と打ち出しているインラック政権ですが、やはり国の財源への圧迫があるようで、VAT増税に踏み切るのではというニュースが入ってきました。

「賃金アップ」も「減税」も一見大変聞こえはいいですが、どこかをマイナスにしたらどかかをプラスにして帳尻を合わせなければいけないわけで、どちらも少しずつ調整や変更がされています。本当に実現するのか、でも実現したらVATが上がってしまうのか?

まずは、住宅購入支援策の変更のニュースから。

バンコク週報WEB版より

政府は9月27日の閣議で、初めてのマイホーム購入に税優遇措置を適用する計画の一部修正を決めた。

 これは、「低所得者層が恩恵にあずからない」との批判に応えたもの。

 具体的には、住宅価格の10%に当たる額を基準とした税控除ではなく、個人所得税減税に変更された。これで政府の税収減は17億バーツから120億バーツに拡大する見通しだ。

ムーバーンの家.jpgだが、ハウジングビジネス協会のイサラ会長は、「得をするのは同じグループ。低所得者層は恩恵を受けない」と指摘している。

 なお、修正された計画は、国の最高法律諮問機関「法令委員会」が「所得税関連法に抵触しない」との判断を下したあと、9月27日にさかのぼって適用されることになる。

このニュースだけでも、120億バーツもの税収減が見込まれていますから、国側も必死です。

NNAより

ポピュリズム公約を相次いで打ち出したインラック内閣が、財源不足に直面して来年から付加価値税(VAT)を引き上げるとの観測が出ている。政府としては課税ベースが広いVATの増税で確実に歳入を増やしたいところだが、折からの洪水や世界経済の先行き不安と相まって景気の足を引っ張る懸念が指摘される。所得拡大や自動車・住宅減税の恩恵が相殺され、国民の反発を招きかねないとのジレンマもあり、難しい対応を迫られそうだ。

 政府が13日の閣議で承認した来年度(2011年10月~12年9月)予算は、歳出2兆3,300億バーツ(約5兆8,000億円)に対し歳入は1兆9,800億バーツと、3,500億バーツの赤字を見込んでいる。最終的には赤字が4,000億バーツに膨らむとの予測もあり、財源開拓は喫緊の課題だ。

しっかり話し合ってください.jpg背景には、新政権が公約に掲げた数々の「生活支援」「内需拡大」政策を実行し、前政権との違いを強調しなければならない事情がある。既に実施が決まった1台目の自動車購入に対する減税措置では、還付税総額が300億バーツ規模に達すると試算され、同様に1軒目の住宅購入を促進する減税策は120億バーツの税収損失を招く見通し。最低賃金300バーツ、大卒月給1万5,000バーツの賃上げ公約は、来年から公務員に先行適用することで歳出が180億バーツ以上膨らむ。

 各紙報道によると、財務省国税局と同省シンクタンクのタイ財政政策研究所(FPRI)は、来年からVAT税率を7%から10%に引き上げるよう主張。VAT税率が1%上がれば、税収は500億バーツ増えるとしている。

 ■賃上げ効果、帳消しに

 ただ、こうした動きに小売業界などは早くも反発。複合映画館(シネマコンプレックス)チェーンを運営するSFシネマ・シティーのスウィット社長は「生活コストの上昇に加え、洪水と世界的な景気後退懸念に直面しているのに、政府は消費者の負担をこれ以上増やすべきではない」と批判した。

 タイ小売業協会(TRA)のリキット前会長は「消費者に深刻な打撃を与え、最低賃金が300バーツに上がっても購買力への影響を相殺できないかもしれない」と懸念を表明。

 即席めん「ママー」などを製造販売するタイ・プレジデント・フーズ(TF)のピパット最高経営責任者(CEO)は「タイのVAT税率は他国よりも低く、歳入を増やすためにはほかに選択肢はない」と引き上げに理解を示しつつ、製造コストの上昇分は価格に転嫁する考えを示唆している。

生活必需品は据え置いた方が.jpg政府は経済危機発生直後の1997年8月、国際通貨基金(IMF)の指示を受けVAT税率を7%から10%に引き上げたが、景気の落ち込みが予想以上だったため、99年4月に2年間の時限措置として7%へ引き下げた。その後も時限措置は更新され、歴代の政権は引き上げに踏み切れずにいる。

VATの引き上げには賛否両論がありますが、国の恩恵を受けるのもとばっちりを受けるのもやっぱり国民なんですね。物価上昇が止まらない昨今ですから、生活必需品に掛かる消費税でなく、奢侈品への税率を上げて富裕層から税金を多く徴収するようにすれば、国民からの反発は避けられるのではないでしょうか。いや、それはそれでインラック氏は周りから責められてしまうんでしょうか。