カンボジアで重症化するケースを引き起こし、タイに北上しつつある「手足口病」。タイでも一名の子供が命を落とし、原因が「手足口病」と断定されました。子供が通う学校でも十分な予防を心がける手紙が配られたり、学校側も消毒液を使った徹底した清掃を行っています。
手足口病を防ぐには「うがい手洗い」を筆頭に、とにかく菌を寄せ付けないことが第一と昨晩のブログでも紹介しました(http://www.thaiworker.net/cat592/h-f-m-2.html)が、これに加え少しでも子供に風邪のような症状が現れたらすぐに病院に連れて行った方がよさそうです。
Newsclipウェブ版より
『タイ保健省は24日、バンコク都内の病院で17日に死亡した女児(2)の死因がエンテロウイルス71に感染したことによる重症化した手足口病だったと発表した。今年に入りタイで手足口病による死者が確認されたのは初めて。
今年1月1日―7月22日にタイ国内で報告があった手足口病患者は1万6860人で、6月5258人、7月に入り4257人と、急速に増えている。
人口10万人当たりの感染者数が最も多いのはタイ北部パヤオ県で118・5人。次いで北部チェンライ県80・1人、南部プーケット県74・4人、東部ラヨン県72・5人、南部スラタニ県68・6人。バンコクの感染者数は2918人で、6月921人、7月に入り1022人だった。
隣国のカンボジアでは4月から7月にかけ、児童50人以上がエンテロウイルス71による手足口病で死亡した。
手足口病はコクサッキーウイルスA16やエンテロウイルス71などのエンテロウイルスを病原体とする感染症で、患者のほとんどは10歳以下の子ども。口の中や手足などに水疱(ほう)性の発疹が出て、ほとんどの場合、数日で治る。まれに、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症や、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺といった症状が出て重症化することがあり、特にエンテロウイルス71に感染した場合、他のエンテロウイルスによる手足口病と比べて、中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高い。』
また、エンテロウィルス71単独感染による死者も確認されました。
バンコク週報WEB版より一部抜粋
『プラサート同省疾病予防局長の説明によれば、「女児はエンテロウイルス71型(EV71)に感染して手足口病を発症。このEV71は非強毒性であることから、女児は重篤な状態となり死亡した」とのことだ。
また、同会議では、東部サケオ県で16歳の少年がEV71に感染し脳脊髄膜炎で死亡したケースが報告された。少年は、発熱、おう吐、胸痛、唾液の泡状化といった症状が現れ、7月3日に病院で診察を受けたが、手足口病の症状である手足の水疱はみられなかった。その後、脳脊髄膜炎で死亡した。
プラサート局長は、「このケースは、脳脊髄膜炎がEV71によって引き起こされたものだが、手足口病でなく、脳脊髄膜炎による死亡例ということになる」と説明している。