洪水被害 8

右奥に見えるのがホンダの工場.jpg今回の洪水被害がもたらす経済への打撃は相当なものと言われています。一部では深さ3メートルにもなる大洪水となったアユタヤには工業団地があり、その中には多くの日系企業が工場を構えています。今回の水害によって工場閉鎖を余儀なくされた会社が相次いでいます。

以下4件Newsclipウェブ版より抜粋して引用

ホンダは10日、タイ中部アユタヤ県のロジャナ工業団地にある四輪車工場(年産能力24万台)が洪水で浸水したことを明らかにした。同工場はサプライヤーの工場が洪水で被災し部品が不足したため、今月4日から生産を停止。8日になりホンダの工場自体が浸水した。工業団地への立ち入りが困難で、10日以降も生産を休止する予定。

タイ中部アユタヤ県の大洪水で、ニコンは11日、同県のロジャナ工業団地にあるタイ子会社ニコンタイランドの工場で、全ての建物の1階部分が浸水したと発表した。従業員の人的被害の報告はないという。同工場は今月6日から操業を停止していた。復旧時期は未定。ニコンタイランドはデジタル一眼レフカメラ、交換レンズなどを生産している。

自動車部品メーカーのエイチワン(さいたま市)は11日、タイ中部アユタヤ県のロジャナ工業団地にあるタイ子会社エイチワン・パーツ(タイランド)の工場が洪水で浸水し、操業を停止したと発表した。9日以降、工場内に立ち入ることができず、被害の詳細は把握できていないという。日本人駐在員とその家族、出張中の社員は全員無事で、現在、現地従業員の安否を確認している。

フジクラは11日、タイ中部の大洪水で、グループ企業の工場3カ所が被災し、操業を停止したと発表した。

 被災したのはアユタヤ県ロジャナ工業団地のフレキシブルプリント基板(FPC)工場とサーマル製品工場、アユタヤ県サハラタナナコン工業団地の電子ワイヤー工場。人的被害はないが、浸水で生産設備が被害を受けた。

 電子ワイヤー、サーマル製品、FPC、金型、コネクターなどを製造するパトゥムタニ県ナワナコン工業団地の2工場は浸水していないが、従業員の安全確保と資産の保全のため、操業を見合わせている。その他の拠点は今のところ洪水による浸水はなく、操業を継続している。

工場への浸水被害により職を失う人が大量に出ることは避けられません。

以下3件ともバンコク週報WEB版より

洪水被害が深刻化しているアユタヤ県では、多くの工場が冠水し一時閉鎖に追い込まれているが、タイ工業連盟(FTI)アユタヤ支部は10月10日、失職者数が10万人にのぼるとの見通しを明らかにした。

 同県内にある2150の工場のうち300以上が洪水の影響を受けているという。サハラタナナコン工業団地とロチャナ工業団地が冠水しているほか、ハイテク工業団地も周囲の水位が4メートルに達し、浸水の恐れが高まっている。

 同支部は、「これだけの被害が出ているなか、工場側が雇用を維持するのは難しい」としている。

今回の洪水による経済的損失は1500億バーツにも上るとされています。

水が行き場をなくしています.jpgタイ商工会議所大学経済ビジネス予測センターのタナワット所長によれば、長引く洪水のため農業や工業などさまざまな分野で深刻な被害が出ており、経済的損失は総額1500億バーツにのぼる見通しだ。

 アユタヤ県では工業団地が冠水して操業停止に追い込まれており、その影響の拡大が懸念されている。

 同センターでは6日、洪水被害の深刻さから今年のタイ経済成長見通しを4・4%から3・6%に下方修正したばかりだが、タナワット所長は、 「幹線道路は寸断され、観光や製造業に深刻な被害が出るなど、状況は悪化の一途だ。被害は小売業と観光がそれぞれ100億バーツ、製造業は100億~300億バーツに達する」としている。

GDPで見た場合の見積もりもされていますが、それ以上になるのではと懸念されています。

ティラチャイ財務相は10日、今回の洪水による被害が約800~900億バーツに及ぶとの見方を示した。これはタイのGDP(国内総生産)の0・9%に当たる数字だ。

 中央銀行では被害額を600億バーツと見積もっているが、同財務相は、「楽観的すぎる数字」としている。

今回の水害は、農産業のみならず工業にも多大な影響をもたらしています。今週末にもっとも危険が高まるバンコク市内での洪水ですが、タイの首都に万が一のことがあったらと思うと本当に怖いです。