洪水被害 59

温暖化で地球が悲鳴を上げている.jpg今回の洪水では、「バンコクの脆弱性」が浮き彫りとなりました。50年に1度ともいわれる未曾有の大洪水となった理由はいくつかあるのでしょうが、人為的なものが多いのではないでしょうか。今年の雨季は豪雨を伴う台風が続き、降雨量が例年を大きく上回りましたが、これは地球温暖化が招いたもの。

地球温暖化は、人間の産業活動に伴って排出された温室効果ガスが主因となって引き起こされます。かつて高度成長期の日本でも洪水が頻発したそうですが、まさに今猛スピードで産業化が進んでいるタイの上空には、大量の温室効果ガスが漂い大量の雨を降らせます。そして土と木に覆われていた土地は産業化と都市化でコンクリートとなり、降り注いだ雨水が地面に吸収されず洪水となる、明らかなる悪循環が導いたものです。

日経ビジネスオンラインより一部抜粋

タイでは長期にわたってじわじわと浸水の被害が拡大している。それは河川の勾配が緩やかであるからだ。日本の河川は勾配が急なので、どんなに大きな川でも上流で降った雨は3日以内に下流の海に到達する。

チャオプラヤー川から流れる水.jpg だが、これは日本に特有のことで、世界のほかの国・地域でも同じと思うのは誤りである。例えば、中国の黄河や長江も勾配が緩やかなので、上流で降った雨が海に達するまでに3カ月ほどかかる。その意味で、同様に勾配の緩やかな欧州のライン川やドナウ川で起こる洪水は「フラッド(Flood)」と呼ばれて流速は遅いのに対し、日本の川で起こる洪水は「フラッシュ・フラッド(Flush Flood)」で流速が速く、両者は違う。

 今年7月にチャオプラヤ川の上流域から始まった今回の洪水は、4カ月近くかけて首都バンコクにも広がった。バンコクの浸水は想像以上に長引くだろう。なぜなら、地下水のくみ上げによって地盤が沈下しているからだ。海抜よりも地盤が低いゼロメートル地帯が広がっているから、なかなか水が引かない。

最後の文章にあるように、バンコクには海抜ゼロメートルの場所があるため、日本ほどスムーズに水が海に戻れないのです。戻れないどころか、大潮の時には海から水が逆流することもあり、だからいつになっても洪水が収まらないのです。

今回の洪水はバンコクにまで及んだことで諸外国でも大きなニュースとなりましたが、タイ全土で見れば洪水は毎年必ず発生しています。雨季の中盤から終盤に掛けての北部での洪水、これからの時期は南部でも洪水が発生しやすくなります。しかし、タイの産業化が続く限り、もしかするとバンコクの洪水も恒例となってしまうのではないかという懸念があります。

毎日新聞より

大洪水に見舞われたタイで、首都機能移転に向けた議論が再燃する可能性が出ている。与党「タイ貢献党」の国会議員20人が16日、検討委員会設置を求める文書を国会に提出したからだ。

建設ラッシュが続くバンコク.jpg地元紙バンコク・ポストによると、温暖化によるタイ湾の潮位上昇で、バンコクの地盤は年々海面の水位に近づいており、洪水や津波に備えて内陸部への移転が必要と指摘する専門家もいる。

 インラック首相の兄タクシン元首相の政権当時、タイ中部のナコンナヨック県などが移転候補地に挙がり、政府内で検討されたが、候補地を巡り政治家の用地買収疑惑が浮上し、計画は凍結された。

昨日は都心に出かけてきたのですが、バンコクの建設ラッシュはまだまだ止まることを知りません。アソーク駅前には最近話題のターミナル21、プルンチット駅前にはPark Venturesがオープンし、そのお向かいにはコンドミニアムが建設予定、プロンポンのエンポリアムの向かいも広大な土地で新しいビルの建設が始まっていました。BTSから眺めるスクンビット通りを見ただけでも、ものすごい勢いで近代化が進んでいるのがわかります。

お出かけスポットが増えるのは楽しいし、そこで商売をする人のビジネスチャンスやそこで働く人の雇用機会が増える。けれども、一方ではリスクを背負っている現実。私の子供が親になった頃も、安心して住めるバンコクであって欲しいのですが・・・