洪水被害 53

道端で売ってます.jpg昨日は避難生活に入って2度目の日曜日、息抜きに近くの大型スーパーへ出かけてきました。久しぶりにお出かけではしゃぐ子供と車の外を見ると、道路脇で「長靴」「ボート」「土嚢」「飲料水」を売る店がずらり。ボートは3000バーツ前後、長靴も大人用が250バーツ程度で売られていました。スーパーではTシャツ短パンに長靴スタイルの人が多く、区の8割以上が冠水している現実を感じました。

溢れそうな運河.JPG出かけたスーパーの裏にはセーンセープ運河が流れているのですが、いつになく水がいっぱいいっぱい、いつあふれ出してもおかしくない状態でした。もしここが溢れたら、私たちが出かけたスーパーは水没。運河の幅はあるものの、明日までの大潮を無事に乗り越えられるかと、心配そうに眺めている人が大勢いました。

運河の向こう岸の家は、明らかに運河の水位より低いところに立っており、気が気じゃないはずです。大潮を越えれば、海へと向かう流れが勢いづくでしょうから、それまで何とか持ちこたえて欲しいものです。

また、この運河のさらに北のほうには「ラムイントラ通り」という大きな幹線道路があるのですが、多くの地点で洪水のため道路封鎖されているとのこと。この通りには、我が家も何度か遊びに行ったことのあるスアンサイアムという遊園地や、サファリワールドという動物園があるのですが、この辺りにも水が溢れているようです。またバンチャン工業団地も近く、上空をテレビ局のヘリコプターが飛んでいることもしばしば。

さて、冠水したあちらこちらで排水作業が順調に続いているそうで、バンコクの洪水にも見通しが付いてきたようですが、今朝になってそれを翻すようなニュースが入ってきました。

MSN産経ニュースより

タイ大洪水で、首都バンコクのタヤー副知事は13日、首都中心部への水の流入を阻止するため北部ドンムアン地区につくった土のうの堤防の一部を、周辺住民が破壊したことを明らかにした。首都中心部が浸水する恐れが再び出てきた。

Big Bagをめぐる攻防戦.jpg北部では大型の土のうを並べ、南下する大量の水をせき止めているが、堤防の北側で水が滞留しているため周辺住民から不満が出ている。住民らは同日、幅15~20メートルにわたり堤防を破壊。一部住民は破壊を続けると主張、タヤー副知事は「破壊が続いた場合、中心部が浸水する恐れがある」と述べた。

 13日までの政府のまとめによると、洪水による死者は536人となった。

 同じ北部でも中心部との境界にあるチャトチャック地区ではここ数日、土のうの堤防の効果もあり水位が低下。冠水した道路から水が引いてきている。

これまでも、洪水の境界線をめぐる攻防戦はあちこちで勃発してきました。私の自宅付近でも銃声が上がる騒ぎがあったり、東郊にあるクローンサンワー運河の水門を巡っては政治がらみの問題にまで発展したり。

今回破壊されている土嚢のある場所は、いわば政府が作った人工壁。ここを境に都心部への流入を避け、東西の運河に水を流動することでバンコク中心部を守っているわけですが、そのとばっちりを受けている人たちもとうとう我慢の限界に達したのだと思われます。政府は何を優先させていくのでしょうか。水と人の気持ちを、政府はどのように収束させていくのでしょうか。