洪水被害 51

トゥクトゥクはまだ走ってる.jpg昨日、タイ人の友人たちと洪水が起きてから久しぶりに会ったのですが、4人中3人が避難生活の身でした。3人とも親戚や友人の家から集まってきたのですが、いつもと違う生活での疲れが出ていながらも、悲壮感はなかった。なんでしょうね、家の1階が完全に浸水状態で、着の身着のまま出てきた人ですら、「まあ、しょうがないねえ」と笑ってました。

洪水の真っ只中、話題も洪水中心かと思いきや、「ねえねえ、今日って11年11月11日だよ。しかも満月だってよ。」と、トンロー辺りのカフェでかつてがやがや話してた雰囲気そのまま。多少見通しが付いたとの発表に加え、まあいつかは過ぎ去るだろうという気持ちからなんでしょうか。

Newsclipウェブ版より

バンコクの洪水の見通しについて、タイ政府洪水対策本部のアノン・タイ地理情報宇宙技術開発機関(GISTDA)長官代行は10日、タイのテレビ局数局のニュース番組に出演し、チャオプラヤ川東側のバンコク中心部の幹線道路は今後7―10日で通行可能な状態まで水が引くという見通しを示した。また、戦勝記念塔まで洪水が達することはないと言い切った。

 最新の衛星写真から、バンコクの北にある洪水の水量は約30億トンで、今後20―30日でバンコクのチャオプラヤ川東側に10億トン、西側に15億トンが流入すると推定。東側の中心部は北側に設けられた大型土のうの堤防「ビッグバッグ」と運河による排水で、海に流れ出る水量が洪水の流入量を上回り、状況が改善しつつあると分析した。西側は流入量が多く、今後3週間、幹線道路の浸水が続くという見通しを示した。

 スクムパン・バンコク都知事も同日、都内各所で洪水の水位が下がったとして、今後水の流入がなければ2週間以内に幹線道路から水が引くだろうと述べた。

テレビでは専門家の解説がメイン.jpg一方、ランシット大学のセーリー准教授(東北大学工学博士)は公共放送局タイPBSの10日夜のニュース番組で、バンコク各地の洪水の水量と今後予想される流入量、排水能力を示し、バンコク中心部の浸水地域で2週間以内に水が引く可能性はないと断言した。

 今回の洪水はピーク時の水量が満水時の琵琶湖の3分の2に相当する160億トン、浸水した地域が1万6000平方キロに及ぶとみられ、これまでに500人以上が死亡、ホンダ、ソニーなど日系企業400社以上の工場が水没した。

 バンコクは南下してきた洪水で10月下旬から広い範囲が浸水している。中心部は過去数日、東西に走るバンスー運河で水の南下が止まり、日本人が多く住むスクムビット地区やショッピング街のラチャプラソン交差点などは浸水していない。

 タイ政府は洪水の今後の見通しに関する公式見解を示さず、インラク首相、洪水対策本部長であるプラチャー法相ら政府高官からの情報発信はほぼゼロ。専門家の意見はばらばらで、住民は苛立ちを強めている。

そうなんです、政府が発表することが必ずしも正しいとは限りませんが、バンコクの市民はテレビに出てくる専門家の意見や、自分自身の目、ネットワークを持ってでしか洪水の情報を手に入れることができませんし、予測もできません。

首相や都知事にとっては、タイ国、バンコク都という大きい単位で洪水対策をしていくのでしょうが、一個人にしてみれば、まずは自分が今いる所がどれくらい危険なのか、避難すべきなのかを知りたい。

まだこんな状態だけど.JPG我が家も先週から義理の弟宅で避難生活をしていますが、義母は「家に帰る」宣言を先ほどしました。家のある住宅街は、自家用車の乗り入れが不可能なくらいの洪水となり、幹線道路に出る道3本のうち2本が使えません。その2本の道自体が洪水になっているのはもちろんですが、幹線道路が洪水で封鎖され、高いところで1メートルとなっているからです。

そんな状況でなぜ自宅に戻るのか。実は住宅街の中には、まだまだ避難せず居残っている家があります。それぞれの家庭の事情や見解があるのでしょうが、義母は毎日お向かいの奥さんに電話しては、どこの道が使えるか、水位はどうかと確認。先ほどの電話で、水を吸引する機械が区からやってきてかなり水を吸い上げているとの情報を得て、一人自宅に戻ることを決意しました。

私自身もツイッターなどであっちはどうだ、こっちはどうだと常にバンコク内に点在する友人たちと、その時々の洪水の様子を交換し合っています。昨年の政治騒乱の際もそうでしたが、本当に知りたい情報というのは、政府からの発表でなく、現場にいる市民の声なんだと実感した次第です。