我が家の前の通りも、とうとう水浸しとなりました。バンコク郊外の幹線道路の脇は湿地帯が広がり、それをまたぐように運河が張り巡らされ、道路の高低もまだまだある地域が多い。我が家はそんなエリアにある住宅街の中、幹線道路からソイ(小道)に入るときに少し坂を下るのですが、ここから洪水がスタートして住宅街の入り口ゲートの所がもっとも水かさが増している状態です。
一日も早く明けて欲しい雨季ですが、昨晩も雨、今朝も集中豪雨があり、行き場をなくした水がどんどん地表を飲み込んでいく感じは恐怖です。
昨晩テレビでインラック首相による一斉放送があり、更なる洪水への喚起メッセージがありました。
Sankei Bizより
『タイの洪水が早ければ今週中にも首都バンコクを直撃し、危険な水準に達する見通しになり、同国政府が警戒を呼びかけている。同国は7月末以来、モンスーンによる豪雨で少なくとも過去50年で最悪の洪水に見舞われており、被害が深刻化している。
インラック首相はテレビ演説などを通し、約70億立方メートルの水がタイ北部からバンコクに向かって流れ込んでおり、バンコクを流れるチャオプラヤー川が氾濫する危険性があると説明。AP通信によると、約400基の送水ポンプを同川沿いに設置し、バンコク郊外には7本の放水路を準備している。
人口約600万のバンコクは市内の大部分が海抜2メートル未満に位置しているため、洪水の被害を受けやすい。今回のバンコクの洪水は、1995年に約120億バーツ(約297億6000万円)の損害をもたらした洪水を上回る可能性があるという。15~17日にかけては高潮も予想され、同市での洪水悪化の懸念材料となっている。
同国の災害予防軽減局の8日の発表によると、7月25日以降の大雨の影響による死者は少なくとも253人にのぼる。77県中約30県で浸水した状態が続いている。
タイ商業会議所大学は今年の洪水の被害総額は1300億バーツに達すると見積もっている。』
すでに大規模な洪水被害を受けている北部で放水した水がバンコクになだれ込む、そして更なる洪水を引き起こします。少しでもその水量が減ってくれるといいのですが。
タイ通より
『貯水率が100%に近づき、緊急放水が続けられてきた北部ターク県にある大型ダム「プミポン・ダム」だが、現在貯水率が減少傾向にあることがわかった。
タイ地元紙によると、現在ダムに流れこむ水量が数日前に比べ減少しているとし、このまま減少が続けば近いうちに放水量を減らせる可能性があると報じている。
同ダムの緊急放水によって、下流域では河川氾濫が相次いで起きていた。』
50年に1度とも言われる今回の水害ですが、人の力で食い止められるものは食い止めたいもの。私のいる地区でも区役所で土嚢が無料配布されましたが、供給が需要に追いつかない状態で、夜中の12時の配布だったにも関わらず多くの人が並び、あっという間にゼロに。我が家は近くの建築材を売る店から100袋買い、門や扉の前に敷き詰めています。
また、今朝方区のスタッフが回ってきて「応急処置セット」が配布されました。洪水による思わぬ怪我、下水溝から逃げてきたねずみなどは毒を持っていることがあり、万が一の備えての薬などの詰め合わせが各家に配られました。どちらも、使わずに済んで欲しいものです。