洪水被害 47

とにかく土嚢を積み上げろ.jpgこれまでのインラック首相の発言を見ていると、あれはずいぶん楽観的で現実離れした見解だったのだなあとつい遠い目になりますが、タイの北部、中部を襲った大量の洪水は確実にバンコクの中心部に向かって南下してきています。

この水を少しでも中心部を避けて東西の運河に迂回させようとしているものの、もう無理があるのではないのかと思ってしまいます。11月9日現在で避難勧告が出されているバンコクの区は18区となりました。これらの区を走る大きな通りも、水かさが上がり至るところで交通止めとなっています。

また、バンコクにある工業団地でも浸水が始まっています。ニュースによると、スワナプーム空港に近いラークラバン工業団地も2日以内に全域浸水の恐れがあるとのことでした。私のタイの家族の誰もが声を揃えて言うのは「スワナプームが使えなくなったら、おしまいだ」。バンコクが完全に水に閉じ込められてしまうからです。想像しただけでもぞっとしますが、ここだけは死守してもらいたい。

バンコク都庁は、空港はもとより都心への浸水を回避しようと必死です。

バンコク週報WEB版より

ラチャダーピセーク通りも水.jpgバンコク都庁は都心部の浸水を回避するため、バンスー運河に流れ込んだ水をポンプでチャオプラヤ川に排水しようと全力をあげている。南下する大量の水は現在、パホンヨティン通り、ウィパワディ・ランシット通り、ラチャダピセク通りを横切るバンスー運河で食い止める格好になっている。

 都庁では同運河に設置したポンプ17台をフル稼働して排水に力を入れているが、運河周辺エリアにはすでに水が溢れており、サパンクワイ、そして戦勝記念塔が浸水する可能性が高まっている。このため、都庁はサパンクワイに水が流れ込んだ場合、サムセン運河に設置したポンプ15台などで排水する方針という。

そうは言っても、北から流れてくる水はまだまだ大量にあり、これからが本当の大洪水になるのではという話さえあります。

時事通信より

タイの首都バンコク中心部に向かって流れ込んでいる洪水は9日、水量は増え続けているが、繁華街まで約7キロの地点で停滞している。バンコク北方に築いた巨大堤防が流入量を抑えている上、流路となっている道路の起伏によってせき止められているためだ。ただ、数日後には水が巨大堤防を越えるとの見方もあり、予断を許さない。
 北から流れ込む大量の水はバンコクに入った後、都心部に向かう3本の幹線道路に沿って南下している。南下のスピードは1日に2、3キロだったが、このところ、速度が遅くなった。
 バンコクを東西に流れるバンスー運河付近で道路は上り坂になるため、水の南下はここ数日、一時的に止まっている。ただ、水量は増え続けており、巨大堤防を越えてさらに大量の水が押し寄せれば、一気に都心部へ向かって浸水部分が拡大する恐れがある。

水は低い土地に向かい、最終的に海に流れるのが自然です。ですので、都心部でもある程度の浸水は免れないと思いますが、それでも実際に水の足音が聞こえるまでは洪水が来ることを実感できないのも事実。

土嚢が見えなくなっているところもある.jpg我が家のある区に避難勧告が出たとき、タイ全土に広がる親戚や親しい友人からのお見舞いの電話が相次ぎました。そのたびに義母は「まだ、家の前は乾いていて実感ないわ」と返していたものですが、今となっては家の前はすっかり川となって避難。そして、今度はさらに都心に住む親戚や、私の在タイ日本人の友人たちから「そっちは大丈夫か?都心にはいつごろ水が到達するか?」という連絡が増えました。

どこの道路を通るのか、どこの運河を流れるのか、いずれにしても大量の水が流れてくることは確実です。家の前の洪水の水は濁って地面が見えません。この先、都心に流れてくるかもしれない水はさらに濁っていることが予想されます。避難する時間も、対策をとる時間もまだあるということを、都心に住む友人からの電話で必ず伝えています。