洪水被害 41

都心部はまだ平気らしい.jpg洪水に伴い政府が臨時に制定した公休日は昨日で終了、今日11月1日から一応バンコクの社会は通常通りに動き出しました。この間ホアヒン、パタヤ、日本などに一時避難していた友人は「バンコクに戻ったら意外に普通だった」とのこと。長引く洪水に回復の兆しがあるという発表もありました。

産経ニュースより

タイの首都バンコクの冠水被害が広がっていることを受け、同国政府は1日までに、首都圏に軍兵士6万人を動員、堤防の増強や被災者の避難誘導に全力を尽くした。首都に向け南下している大量の水については「水量が1日10%減少している」として、状況に改善の兆しがあるとの見方を示した。

 政府は、首都中枢部への浸水被害を食い止めるため、運河を通じて水を分散し海へ流す作業を継続。大潮が過ぎ、首都を流れるチャオプラヤ川や運河の水位も安定するとみられ、政府は10月31日夜、「5日ぐらいで状況が改善するだろう」との認識を示した。

 一方、首都中枢を守ることを優先する政府に対し、冠水被害が長引く北部の住民の間で不満が高まっており、住民が浸水対策の作業を妨害するなどのトラブルも起きている。

中心部を守るため.jpgバンコクの中心部は守られています。しかし、最後の一文にあるように中心部を守るために犠牲になっている地域が増える一方なのも事実です。首都を取り囲む郊外は、北部ではすでに1メートルを超える洪水に見舞われ、西部もチャオプラヤー川近辺を中心に冠水、また首都に水が流れないように水を迂回させるために水門が開かれた東部でも浸水が始まっています。

バンコク西部では避難勧告のエリアが増えています。

以下2件ともバンコク週報WEB版より

バンコクの西隣ナコンパトム県で10月31日、水位の上昇が続いていることから政府は、バンレーン郡の住民に対し、カセサート大学カンペンセン分校などに48時間以内に避難するよう勧告した。
この日、同郡内の水位は50センチ-1メートルに達した。

 また、バンコクの北隣パトゥムタニ県では31日になっても、ムアン郡、サムコック郡、ラートルムケオ郡、タンヤブリ郡などで1─2メートルの冠水が続いている。

工業団地のある東部でも警戒が強まっています。

クローンサンワの攻防.jpgバンコク東部のミンブリ区で10月31日、長引く冠水に不満を募らせた地元民らの抗議に当局が屈する形で、サムワ運河水門を開放したことから、バンチャン工業団地が浸水する可能性がでてきた。この日、サムワ運河水門では、これまでの80センチから一気に倍近い150センチへと開口幅を引き上げた。

 その結果、抗議民の住むエリアでは排水が促進されることになったが、同区内のバンチャン工業団地周辺では逆に水位が上昇することになり、浸水の可能性が高まっている。

 水害被災者救済センターのティラチョン顧問(バンコク副都知事)によれば、水門の開口幅が拡大したことで、サパンスーン区のセンセプ運河沿い、バンカピ区、ブンクム区でも浸水被害が拡大する恐れが出てきたという。

 バンコク都庁ではバンチャン工業団地を守るため、住民の要求には応えられないとの態度を明確にしていたが、インラック首相が首相特権を行使。水門開放を命じた。

 なお、サムワ運河周辺にはタクシン元首相支持派が多く、抗議民の多くは同派のシンボルマークである赤いシャツを着ていた。

バンチャン工業団地は、即席麺のヤムヤム、パンのFarmhouse、ナムデーンのヘルボーイなど食品系の工場や、HONDAや味の素、象印などの日系工場も2入っているそうです。中部の工業団地が壊滅的な被害に遭ったなか、政府としてもここは死守したいのでしょうが、首相自らが水門を開くことに同意したとか。この水門を巡る攻防は日曜の夜からテレビでも伝えられてきましたが、そこに政治的な思惑が絡んでいたとは。

どこかを守るために、どこかが犠牲になる。ただし、その運命の分かれ目に親日タクシンがどうのというのは持ち込まないでほしい。