洪水被害 39

夕方のサトーンの様子.jpg来るぞ来るぞと言われる洪水、まだかまだかと警戒するのにも、はっきり言って疲れました。外に行くにもいつどこで道路が遮断されるかわからない、電車が止まるかわからない状況では、出たはいいが帰って来れるかわからないから不要不急の遠出はできない。

北部、西部、東部の一部はすでに冠水し、ドンムアン空港では飛行機の車輪に届くほどの深さの洪水となっています。しかし、都心部などまだ浸水の被害に遭っていない場所では、街は動いています。在タイ日本人の間でも、日本メディアによる大げさな報道にはうんざりだという意見が多く、見えない洪水におびえて暮らすのをやめて、街に繰り出して「今、どこのエリアがどうなっているのか」というリポートをネットに上げている人も増えています。

我が家は、毎週日曜日は家族や親戚が集まってわいわいと外食に出かけるのですが、浸水が始まった先月の初めからしばらく中断されていました。ここ数週間近くの大手スーパーでいつもより多めに食材を買ってきては、大事に大事に食べてきていました。けれど、今日は義理の弟がやってきて「もう、家に篭ってないで、外に食べに行こう」と一言。全員一致で「行こう!」。一応、洪水が来ているエリアと反対方面にあるレストランに向かいました。

時々行くそのお店は、いつもの週末より人は少なめではあるものの、大家族が5組テーブルに着いていました。どのテーブルも楽しそうでした。とはいっても、一同が集まれば話題はやっぱり「洪水」。ですが、家でただただテレビのニュースを見守るよりも、外でご飯を食べながらの方が気持ちは軽くなります。

パタヤビーチもいいけれど.jpg当初は、生活ができないほどの洪水となった場合は「パタヤに避難」案が出ていた我が家ですが、現在パタヤもホアヒンもバンコクからの避難客でホテルがいっぱいだそう。実際に、私の友人が一人パタヤに避難していますが、パタヤなのに水が無い、人が多すぎる、タクシーがつかまらないと、急激に人が押し寄せて「バンコクに戻りたい」と思わせるほどの状況だそうです。

そんな状況ですから、万が一の避難先はパタヤではなく、ひいおばあちゃんがすでに避難している別の件の親戚の家となりました。そんな話題も、外食しながらと気分が軽くなるものです。

本来であれば、月末の週末でバンコクのあちこちが賑わうのですが、この週末は大潮でバンコクの洪水に対する警戒がピークだったこともあり、人出が少なかったようです。

朝日新聞より

タイのインラック首相は30日、洪水について「(大潮が終わる)31日を過ぎれば状況の改善が見込める」と期待感を示した。ただ、大潮と重なった週末の首都バンコクは、繁華街でも人はまばらだ。

 インラック首相は記者団に対し「洪水との戦いはあと2日が山場。その間、堤防を守りきれば、状況がこれ以上悪化することは無くなる」と述べた。

 洪水の影響は都心部にも出ている。週末に開かれ、世界中からバイヤーや観光客が雑貨を求めて訪れるチャトゥチャック市場。いつもは1万5千店以上の店が1日30万人の客でにぎわうというが、28~30日は閉鎖。車で10分ほど北にまで水が迫っているからだ。

パラゴン正面もブロックでした.jpg実は昨日もひとつ都心で用事があって、サイアムのパラゴンデパートに行ってきたのですが、土曜の夕方とは思えない静けさでした。入り口はもちろん土嚢やブロックで壁ができていましたし、駅からつながる広場も、正面フロアも、通常だったらイベントですごい人なのに、ただの空間でした。

館内も人が少なかった.jpgまた一部のブランド店は臨時休業。皮革品なんて、水は最大の敵ですからね。品物がきれいに片付けられ、扉を閉じていました。地下のレストラン街も、すかすかでしたね。

私の友人で毎日、チャオプラヤー川近辺を含む都内数箇所を写真付きでリポートしている友人は、大潮の危険な時期が過ぎて、都内に車が戻ってきていると話していました。いつものバンコクの活気とまではいかないけれど、いつもの生活をしている人もまだまだいます。