北部、中部から押し寄せている洪水の波が、バンコク全体を覆う可能性が出てきました。
Bloombergより
『10月26日(ブルームバーグ):タイのインラック首相は25日、洪水被害が首都バンコクの中心部に迫る中、今後の大潮の影響も踏まえて住民に浸水対策を呼び掛けた。
インラック首相は同日夜の国民演説で、最悪のシナリオとしてバンコク北方の堤防が決壊した場合、バンコクの一部地域は水位が最高1.5メートルの浸水被害を受ける恐れがあると説明。ほとんどの地域で、水位は50センチメートル程度に達する可能性があるとの見方を示した。
政府は25日、住民が浸水に備えるため、バンコクと北部・中部の20県を対象に27日から5連休にすると発表。タイ中央銀行によれば、商業銀行は営業を続け、金融市場も取引を継続する。』
昨日、インラック首相自らの洪水に関する声明が発表されましたが、在タイ日本国大使館より日本語訳が回ってきましたので下に転載します。
タイ在留邦人の皆様へ
【大使館からのお知らせ】 バンコク都における降雨・洪水被害に関するインラック首相の声明
(2011年10月25日現在)
25日、20時半より、インラック首相は、バンコク都における洪水被害に関して、テレビで声明を発表しました。
(以下は、当館館員がインラック首相の声明を聞き取ったものの骨子です。声明の正確な内容につきましては、
タイ政府から正式な声明文が公表され次第、改めて確認いたします。)
1.タイの北部から中央部を通って大きな水の固まりが流れてきている。水の流れのエネルギーは受け止められる能力より大きいため、水はバンコクの内部と外部に侵入する可能性あり。
2.洪水による水位は、水をどれだけコントロールできるかによって違ってくる。また、土地の高低により一定ではない。
3.(バンコク)西部では北から流れてきた水は、ノンタブリー、バンプラットに影響を与えている。バンコク都は堤防を強化しているが、水は受け止められる能力を超えており、トンブリ及び周辺地域で平均して50センチの洪水となっている。
4.(バンコク)北部では、流れ込む水は運河の戸を閉めホックワー運河から排出し、バンコクの中心を流れないよう対処しており、うまくいけば洪水による水位は50センチメートルを越えない。
5.(バンコク)東部では、ラピーパット運河やクロンセープ運河を使って海に流すが、当初の計画通り進んでも、この地域は他地域より低いことから、洪水の水位は1~1.5メートルが見込まれる。
6.最悪のケースとして、堤防が崩れる、又は、水位が予想を超えるような場合、バンコクは場所によって高低が異なることから、洪水の水位は10センチメートル~1.5メートルとなると見込まれる。政府は影響が最小限となるように努力するが、本日より国民も万一に備えて財産を高い場所に移して欲しい。
7.水位が上昇する27~31日を臨時の休日とした。他方、洪水対策従事者は引き続き協力して欲しい。政府は食料品や生活必需品の確保、水や電気の質の確保に最大限取り組む。
8.国民はパニックになってはならないが、同時に万一に備えて欲しい。この危機を乗り越えられると確信している。
在タイ日本国大使館
○領事部
電話:(66-2)207-8502、(66-2)696-3002(邦人援護)
FAX :(66-2)207-8511
○経済部(日本企業支援センター、夜間は上記連絡先に願います)
電話:(66-2)207-8595
FAX :(66-2)207-8517
○日本大使館ホーム・ページ
「タイ洪水被害関連情報」
http://www.th.emb-japan.go.jp/
バンコクの学校はどこも秋休みが延長されたままです。私の友人も数名がこの時期は日本の実家に子供を連れて里帰りしていますが、全員が帰国時期を延長してまだ日本にいます。日本にいながらタイの洪水のニュースを見て、残してきた夫や家のことが非常に心配でたまらないと、毎日のようにメールがあります。
一方で、31日まで公休日となったことを受けて日本に緊急帰国する友人もいます。彼らは皆独身だったり、単身でタイに来ている人たちで、ほとんどが都心のスクンビットエリアに住んでいますが、飲料水食料の確保、万が一のインフラの断絶などに対する不安を受けて、緊急帰国をしています。
そして私はどうかというと、本当に水が押し寄せてきて今の家での生活がしばらく困難になったら、パタヤかバンセンのビーチリゾートに一家で移動しようかという話が出ています。お気楽に聞こえるかもしれませんが、私のタイ人の家族たちは来るものはしょうがないという考えのようです。というのは我が家だけでなく、更に南部のプーケットに1ヶ月滞在しようかという友人もいます。ここまできたら、それもひとつの手かもしれません。