洪水被害 19

ロットガップカーオ.jpgいよいよバンコクにも水が流れ出し、人々の生活や流通にも影響が出ています。日中、ラーメン8番が一部店舗をクローズしているとお伝えしましたが、結局全89店が営業休止。日本食チェーンのOISHIも緑茶と食材の生産をストップせざるを得なくなりました。

我が家の食料調達のひとつに、「ロットガップカオ」という毎朝やってくるピックアップトラックの移動商店があります。肉から魚から野菜からカレーペーストまで新鮮な素材をそろえているこの車は、住宅街の各家庭の台所を支え、奥様方の井戸端会議の場でもあります。

その車が来なくなってもう2週間が経ちます。理由は幹線道路から住宅街に向かう小道が冠水したため。一般の自動車より水に強いピックアップとはいえ、後ろの荷台いっぱいに食料を積んだ車ですから入ってくることができないのは無理もありません。この車以外にも、住宅街にはアイスクリームやお供え用のジャスミンの花輪などを売るバイクなどがやって来ますが、今となっては郵便配達とゴミ収集車のみとなりました。

そうなると自分から外に買い物に行くしかないわけですが、その先はLotusやBigCなどの大型スーパーがメインです。今日の夕方も出かけてきましたが、野菜や魚の値段が高騰していましたね。飲料水や保存食が品薄なのは以前からですが、品切れや価格上昇の理由は、品物不足や洪水によって分断された流通にもよると考えられます。

スーパーから戻り、買ってきた食材を冷蔵庫に仕舞いながら、もし本格的な洪水になった場合は、この冷蔵庫も使えないし、食料を買いに行くのもできるかどうかわからない、普段は道端でもどこでも食べ物にありつけるバンコクで初めて食への不安が沸き、その不安を持って洪水の現実を突き付けられた気持ちになりました。

NNAより

スクムパン・バンコク都知事は19日午後4時半、都内北部サイマイ区クロンホクワー運河周辺の一部地域に避難勧告を発令した。当初見通しより早い21日に、北から大量の水が同運河などの河川に流れ込むとみて、危険地域の住民に対し管轄自治体の指示に従って、きょう20日中に避難するよう伝えた。バンコク周辺の河川の水門を全開し、チャオプラヤー川やタイ湾へ水量を放出する作業に全力を尽くしているとして、都内中心部への流入を防ぐ方針を強調した。

知事は同日午前10時半、都内50区のうち7区に洪水警報を出し、住民に避難勧告に備えるよう警告した。都内での洪水警報の発表は初めて。

警報が出されたのはバンコク北部サイマイ、バンケン、クロンサムワー、東部ノンチョーク、ミンブリ、ラクラバン、カンナーヤオ。住民に対し避難に向けた荷物の運び出し、電源プラグを抜く、重要な家財は高所に置くなどの準備をするよう呼びかけている。

同時に陸軍などと共同で、土のうを積み増して防水壁をかさ上げ、増幅する作業を進め、同じく20日中に完了させると発表した。

■ラクラバンの浸水、長期化も

19日付クルンテープ・トゥラキットによると、洪水被災者の避難所にもなっているキングモンクット工科大学ラクラバン校(KMITL)のコムサン工学部副学部長は、すでにラクラバン地区での浸水が、水位30センチ程度に達しているとし、さらに水が流入すれば水位は1メートルまで上昇するとの予測を示した。同地域は東部チャチュンサオ県のバンパコン川と高さがほぼ同程度であることから水はけが悪く、1~2カ月に渡る冠水が続くと予測している。

ラクラバン工業団地でバイクと汎用製品を生産するタイ・ホンダ・マニュファクチャリングは19日、当初予定通り、バイクの輸出用ノックダウン部品の生産を再開した。20日も稼働予定だが、今後水位が上がる可能性もあることから状況を見守っている。

別の日系メーカーによると、周辺道路の水位は上がっているが、19日朝の時点で団地内は浸水していないという。

私立ランシット大学の気候変動・災害センターは、28日以降にバンコクで大規模な河川の水位上昇が起こると警告している。北部での大量の降雨によるもので、今後さらに洪水の危険性が高まると予測している。バンコク都庁が整備した防水堤が決壊した場合、都内22カ所が浸水するとみている。

危険地区はドンムアン、ラクシー、サイマイ、バンコーレーム、ヤナワー、サトン、タリンチャン、アルンアマリン、バンパラット、バンクンノン、バンクンシー、チョムトン、ラートブラナ、バンクンティアン、バンコクヤイ、バンコクノイ、トンブリ、パーシーチャルーン、ラクソン、バンケー、バンケーヌア、バンボン。

■バンカディで避難勧告

バンコク北郊パトゥムタニ県バンカディ自治区(テサバーン)は19日朝7時半、区内の住民に向けて洪水警報を出した。河川の水があふれ出し、住居区域に流入したため、住民に避難するよう勧告した。ただバンカディ工業団地は周囲を防水壁で囲み、浸水を免れている。

■日本人学校、再び休校

泰日協会学校(バンコク日本人学校)は、きょう20日と21日を臨時休校とすることを決めた。連休明け25日以降については、24日夕方の時点で最終判断する。

同校はバンコクで洪水被害が生じる可能性に備え、先週13~15日と今週17日を臨時休校としていた。18日に学校を再開したが、現在のバンコクの状況と児童生徒の安全確保の観点から再び休校する。

いつでもどこでも食べられる.jpgタイの学校は現在秋休み中です。今週末の連休明け25日から後期が再開するところがほとんどですが、開校日が遅れることは必須でしょう。たとえ通学路が浸水していなくても、子を持つ親としては、この緊急時に親子離れ離れではいられない、そしておいしいものを満足に食べさせたいと思うものです。