洪水の影響はあらゆるところに出ています。都心部のバーでは「アサヒ生ビール」の供給が難しくなったり、中部に工場を持つチェーンレストランでも一部店舗を閉じたり、メニューを減らしたりせざるを得ない状況となっています。
バンコク週報WEB版より
『洪水による主要工業団地の閉鎖で、大手外食チェーンにも影響が出始めている。特に、ナワナコン工業団地に集中調理施設を置く大手企業は12社にのぼり、食材の供給が停止したことから、一時的に休業とするところも出てきた。
「8番らーめん」ではすでに80店舗が一時休業。南部の6店舗だけが営業を続けているが、このストックも今月21日までしかもたないとのことだ。また、タイスキチェーンのMKレストランは、従業員220人をバンナー・トラート工場に移して不足分の供給に取り組んでいる。
日本食ビュッフェなどを展開するオイシ・グループでは、集中調理施設をナワナコンからチョンブリ県内アマタ工業団地に移動、状況の悪化を想定し、在庫ストックを従来の2倍にするなどして対応している。幹部は、「2010年の政情不安を経て、我々は火災、洪水、テロを含む危機管理について学んだ。それが生かされている」と述べている。
ケー・エフ・シーやピザハットを運営するヤム・レストランでは、サプライヤーがアユタヤ県に集中していた影響で食材が不足。メニューを60%から70%に縮小して対応している。』
スーパーに行くと、インスタント食品と飲料水の買占めが行われているのを目の当たりにしますが、需要過多で品切れでなく、供給不能による品切れだったとしたらと思うと怖くなります。今回の洪水の被害に遭っていないタイ南部からの供給があるとは言え、バンコク市内も冠水した場合物流に大きな影響を与えることも考えられます。物だけでなく、お金の流れにも影響が出ています。
タイ通より
『タイ中央銀行(BOT)によると、本日(18日)時点で国内で臨時休業となった銀行の支店数が130支店となった。洪水による影響で営業ができなくなっており、前日から1支店の増加となる。
地域別では、アユタヤ県で57支店、パトゥムターニー県で37支店、ナコーンサワン県で27支店、ノンタブリー県で4支店、チャイナート県で2支店、ウタイターニー県、ロッブリー県、バンコク都でそれぞれ1支店が休業となっている。』
また、観光を経済の柱のひとつとしているタイですが、タイ旅行のキャンセルが相次いでいるそうです。昨年前半に起きた政治騒乱は人為的なものでしたが、今年は天災による打撃となりました。
J-Castニュースより
『タイでの洪水被害の拡大を受け、日本の大手旅行各社を中心にツアーの中止が相次いでいる。
特に被害の大きいアユタヤを含むツアーについては、JTB・日本旅行が2011年10月21日、HISが10月24日出発分までを中止している。バンコクについては「今のところ観光に問題はない」(JTB広報室)とのことで、10月18日現在、各社とも中止や順延などの対応は取っていない。日本旅行では、21日出発分までのバンコクを含むツアーについても、水害が理由で旅行を中止した場合はキャンセル料を取らないとしている。』
タイの街は道端でもどこでもあらゆる商いが行われています。タイ全土の3分の1を埋め尽くしたといわれる今回の洪水によって職を失った人は、相当数に上ると思われます。