洪水被害 14

今朝また水位が上がった.jpg海の潮位が上がるピークだった昨日が終わり、バンコクに大量の水がなだれ込むことは回避できたものの、今朝方またしても激しい豪雨がバンコクの郊外を襲いました。くるぶし程度の深さだった家の前の通りの水位が更に上昇。家屋への浸水には及んでいないものの、排水機能が麻痺している中これ以上の雨は降って欲しくないと願うばかり。

住宅街を出て表に出ると、冠水地区が俄然増えていました。ため池から水が溢れ出しているところ、ゆるい下り坂になっている細い小道は膝下までの深さになっており、応急処置として木の板で橋が作られていました。

バンコク洪水の最大の危機をどうにか乗り越え、政府は北部、中部から流れる大量の水の排水作戦を本格化させています。

NNAより

政府が設置した洪水支援センターは16日、バンコク中心部は洪水を回避できると再度発表した。また、政府はボート1,100隻を投入して河川の流れを早める大規模な作戦を開始した。洪水の可能性がなくなるまで続ける。

 タイ国営通信(TNA)によると、洪水支援センターは、北部ナコンサワン県を襲った大量の水は、すでにタイ湾に流れ出ており、バンコク中心部を襲うことはないと説明した。同センター責任者のプラチャー法務相は14日、バンコク中心部は安全だと宣言している。

 政府は16日午前10時、ボートのスクリューを回転させることで河川の流れを早める大規模な作戦を開始した。インラック首相がバンコク北郊ノンタブリ県のプラナンクラオ橋で、作戦開始の式典を主宰した。

 プロートプラソップ科学技術相によると、投入するボートは計1,100隻。チャオプラヤー川に500隻、バンコク東方のバンパコン川と西方のターチン川にそれぞれ300隻が投入された。洪水が収まるまで24時間態勢でスクリューを回す。

船による排出作戦.jpgバンコクポスト(電子版)によると、洪水で大きな被害を受けたナコンサワン県ナコンサワン市のチッタカセム市長は16日、水位上昇が収まり、低下に向かい始めたと発表した。同市では7万8,000人が被災し、1万9,000人が避難している。完全に水が引くには2週間程度かかる見通し。

 ノンタブリ県パークレットでは16日正午時点で、前日より水位が0.5センチ上昇したが、上昇のペースは鈍化した。

 16日付ネーションによると、インラック首相は15日、バンコク中心部への浸水を防ぐため、運河の浚渫(しゅんせつ)などを進めていると強調した。

 16日付バンコクポストによると、バンコク都庁(BMA)のスクムパン知事は15日、都内を流れるチャオプラヤー川の水位が歴史的に高くなっているが、危機的な状況にはないとして、中心部で洪水が起きる懸念を否定した。

 同川のパーククロンタラートでの水位は2.15メートル。まだ、防御壁から0.65メートル余裕がある。

 バンコクでは北部と東部の17地区が被災している。東部ミンブリは4,636世帯が被災、農地224ヘクタールが被害を受けた。

 ■日本人学校はきょうも休校

 泰日協会学校(バンコク日本人学校)は、きょう17日も臨時休校とすることを決めた。18日以降については、17日夕方の時点で最終判断する。バンコクでも洪水被害が生じる可能性に備え、13日から臨時休校を続けている。

歩きづらい道が多い.jpg人力で水を掻き出し、少しでも多くの水を海に排出させるそうです。これで地下を流れる排水溝、運河の水位が下がれば我が家の前の水も引いてくれるのでしょうか。しかし、バンコクに住んでつくづく感じるのが「足元の悪さ」。道路のでこぼこはバンコク名物のひとつと言ってもよいくらい。近所の幹線道路脇の舗道にはブロックが敷き詰められているのですが、いくつも浮き上がって段差ができていたり、液状化現象のような状態の地面があちこちに見受けられます。

子供の学校の近くの通りでは、雨で地盤が緩んだために傾いた電信柱がいくつもありますし、舗道でもまともに歩けない所がまだまだあります。これは決して整備に手が行き届いていないのではなく、雨が多い国のためもともと土壌が丈夫でないのだそうです。あちらこちらにほころびのある道路は、決して古いからではないのです。ブロックの敷き直しをしたり、補正作業が行われているのをしょっちゅう目にします。しかし、それでも空からの大量の雨で地盤が緩み、夏は強い日差しで干からび、そうしてまた道路を作り直す。水が引いてからの復興作業にも、多大な時間、労力が掛かることは間違いありません。