週末に掛けてバンコク市内の洪水が心配される中、バンコクを流れるセーンセープ運河のボードは一部運休、日本人学校の休校など臨時の措置が取られています。
洪水はいつ流れ込んでくるかはわかりませんが、経験者に言わせると「あっという間に水に飲まれる」のだそう。我が家も土嚢を一段高く積みなおし、食料品や医薬品を備蓄し、87歳のひいおばあちゃんは洪水の被害を受けていない他県にいる親戚の家に非難しました。
NNAより
『中部アユタヤ県を中心に多くの日系企業が被災した洪水のピークが、いよいよバンコクに迫っている。危険が高まるとされる週末を控え、政府は非常事態へ備えた対応を急ピッチで進めている。一方、郊外の工業団地と都心観光地を歩いて見えてきたのは、危機を目前に緊迫する企業と、意外にも落ち着いた市民の姿だった。
工業団地公団(IEAT)が今後洪水の可能性が高まると指摘している工業団地の1つで、バンコクから東へ約35キロにあるラクラバン工業団地を訪れた。
13日正午時点では団地内の道路では大きな浸水はみられず、コンテナを積んだ大型トラックなどが行き来している。稼働している工場もあれば、入り口を土のうで完全にふさぎ閉鎖している企業もあった。管理事務所は「現時点では14日以降も閉鎖の予定はないが、気象情報、周辺の水位を注視している」と説明した。
■道路が一部浸水、工場に土のう
バンコクから団地へ向かう幹線道路は特に目立った浸水はなかったが、団地周辺に近づくと中央分離帯を境に、道路の片側3車線すべてが数百メートルにわたり水に浸かっている場所があり、車が速度を落とし通過していた。
団地内は立地場所によって、工場周辺の状況が異なり、土地が低い場所は雨が降る中、水が道路から工場ゲートの方へ流れ、土のうに当たった後すぐ脇の用水路にむかっていた。ただ、その用水路も水位が上がっており、あふれるまで20~30センチほどの高さまできているように見える地点もあった。
一方、工場周辺の用水路の水位が低く、土のうを全く積んでいない工場も複数あり、通常と変わらないように見える地点もあった。ただ、その一部では「万が一に備える」として、土のうを積む作業を行っている企業もあった。同企業の担当者は、「団地事務所と逐次、情報の確認を行っており、現時点では危険が迫っているとは認識していないが、対応策は取っておく必要がある」と説明した。工場は現在稼働中で、明日も通常稼働の予定という。
団地内の日系メーカーでは、ホンダのバイク工場が入居しているが、11日から操業を停止している。11日は洪水対策のための休止で、12日以降は部品の供給停止のため。また、ヤンマーS.Pも安全のため12日から今週いっぱいの操業を停止している。完成品を工場外に移動させるなどの対応を済ませているという。泰国いすゞ自動車(IMCT)のエンジン工場も、別の場所にある車両工場と同様に週内の操業を停止している。
ほか日系の家電メーカーは、社内で緊急時の対策会議を開くなどしているが、工場は通常通り稼働しており、14日も稼働する予定。別の日系自動車部品メーカーは、13日は稼働中だが、14日は操業停止を検討中。納入先の自動車メーカーが生産を見合わせているためで、「部品を作っても、社内の在庫が増えてしまう」と説明した。
■通常通りの風景も
一方、都心各所ではまだ、道路状況、店舗の営業など通常通りの風景が続いている。
13日午後1時の時点では、チャオプラヤー川に隣接する高架電車(BTS/スカイトレイン)のサパンタクシン駅周辺は、川岸に沿って土のうを30センチほど積み上げていたが、歩道は歩ける状態だ。ひっきりなしに観光客が訪れ、クルーズ船の観光ツアーの窓口も営業を続けている。ただ、高架下の水門には監視員が待機し、川の水位監視を続けていた。水面は上昇しており、流れもかなり早いが、「雨期は毎年これくらいの水量になる」(観光クルーズ船の受付係)と余裕を見せる。
都心側からトンブリ方面に渡る渡し船や、チャオプラヤー川で旅客船を運航するチャオプラヤー・エクスプレス・ボートも運航停止の予定はないという。
観光名所のワット・ポー寺院、王宮とも多くの外国人観光客でいつも通りにぎわい、入り口にも土のうなどを準備している様子はみられなかった。ワット・ポー寺院に近くチャオプラヤー川に面したティアン桟橋は、併設の商店街が30センチほど浸水していた。店舗は数店を残し、おおむね閉店。桟橋の建物を出た道路にも店舗が並んでおり、こちらは通常の営業を行っていた。ただ昨夜から今朝にかけてはこのエリアも水かさが増し、「腰ほどの深さになった」(飲食店店員)という。
都内を横断するセンセープ運河を運行する旅客ボートは13日、運航を中止した。バンコク都庁(BMA)による運河の排水作業のためで、水面は通常の水位に落ち着いている。きょう14日には運航を再開する。
地元各紙の報道によると、スクムパン・バンコク都知事は、「防災対策は整えた。今後は24時間体制で河川の水位監視を続ける」と述べ、都心地域での深刻な水害はないと強調している。』
どこまで水が来ているのか、現状がわからないだけに、昨日は冠水していたあそこの道路が今日は大丈夫だったとか、つい目先の近いところの状況で油断してしまいがちです。万が一の場合にしっかり備えていかないとなりません。でも、何事も起きないでほしい。本当に心からそう願います。