バンコク都心も本当に浸水するのか、はっきり言ってこれはもう誰にもわかりません。私が住むバンコク郊外では、家の前は冠水していますが裏の通りは雨が降らない限りは乾いているという状態。洪水をもたらす北部や中部からの水は、運河、排水溝を伝って海に排出されますが、その通過点であるバンコクにどこまで影響を及ぼすのか。
水がいつどのタイミングでどのエリアに流れ込むかはわかりませんが、準備や対策をとることは十分にできます。在タイ日本国大使館からも、日本人在住者に向けて注意喚起がありましたが、バンコク都知事からも都民へ非難準備するよう指示がありました。
バンコク週報WEB版より
『スクムパン都知事は10月12日、バンコク都内の全区役所に対し、速やかに住民避難に備えるよう指示した。
同都知事はこの日、バンコクの北約15キロのパトゥムタニ県ムアンエーク住宅地を視察し、同地に設けられた防水堤が決壊の危機に瀕していることを確認。その直後、避難準備を始めるよう各区役所に指示した。
同防水堤は北部バンコクを水害から守る最後の防衛線となる。
都知事は、「水位が上昇し続ければ、洪水を防げるかわからない。洪水になれば、ドンムアンが浸水するのは避けられない。ほかの区についても、水がどのように広がるか予想がつかず、大洪水に見舞われる恐れがある」と述べている。』
現在市内のデパートや商業ビルなどの高層駐車場が無料開放されています。これは、洪水の被害に遭う恐れのある車両を駐車するためであり、義理の姉も車は会社に置きっぱなしにしています。住宅街の中にも、冠水がひどいソイに面した家では、駐車場の門を外してブロックとコンクリートで即席の壁を作り、家屋への浸水を防いでるところもあります。
また、万が一に備え食料品、土嚢を大量に買い込む家庭も多く、それらが値上げを引き起こしているというニュースもあります。先週はじめに土嚢を調達した際、我が家では1袋40バーツでしたが、お向かいさんが追加で買おうとしたらなんと65バーツになっていたと嘆いていました。1袋の単位で見ればたいした金額ではないですが、100袋以上は必ず必要ですから思わぬ出費となります。
Sankei Bizより
『タイの洪水被害が長期化する見通しとなった。同国政府は被害が月末まで続く恐れがあるとの見方を示した。
タイ政府洪水対策センターのプラチャー所長(法相)は12日、バンコクを守る堤防が、北部の県から流れ込む膨大な水と、それぞれ14~17日と28~31日に予想される高潮の脅威にさらされると述べた。
今回の大洪水では全国77県のうち60県で町や稲田が冠水したほか、トヨタやソニーなどの企業が工場閉鎖を余儀なくされた。タイ工業省によると、これまでに操業停止に追い込まれた工場は28県の計930カ所に上る。ニコンやパイオニアなど日系企業の工場が操業を停止したアユタヤ県では12日、孤立した人々に当局がヘリコプターから食料や支援物資を投下した。
一方、970万人の人口を抱えるバンコクでは、市内にも被害が及ぶとの懸念から住民がコメや即席麺、飲料水の買いだめに走るとともに、自宅防御用の土嚢(どのう)の購入を進めている。バンコクについては、被災を避けられるとは保証できないとユタサック国防相が発言する一方、洪水対策センターは広範な被害を避けられる可能性は90%とするなど、政府の情報も錯綜。住民は対応に苦慮している。
インラック首相は同日、食品生産業者に対し値上げを行わないよう要請。「値上げを行えば、人々はさらに食品を買いだめしようとし、これが一層の問題を招く」と警告した。当局は一部のスーパーで生じている品薄について、主要製品の不足ではなく、物流上の問題や洪水救援のための大量買い付けによるものだとしている。』