7月3日に行われる総選挙に向けて、日増しに盛んになる各候補者の活動が連日テレビ、新聞で伝えられています。
前回のブログ、総選挙に向けて3では、
http://www.thaiworker.net/cat592/election-july-3rd-3.html
タクシン元首相派のタイ貢献党(プアタイ)がリードしているというニュースでしたが、その後の最新の動きを今回はお伝えしたいと思います。
まず、今回の選挙は大きな柱として、現政権を握る民主党VSタクシン派のタイ貢献党という構図があります。タイ貢献党は、タクシンの末妹であるインラックさんを代表にして、今の若い首相アピシットと対抗させているようですが、タイ貢献党が政権を握るには、他の中小政党を取り組む必要がありあす。
以下全てバンコク週報WEB版より一部抜粋
『タクシン元首相の法律顧問ノパドン元外相によれば、タクシン派・タイ貢献党が連立政権樹立のため、これまで民主党連立政権を支えてきたタイ国民開発党と国家開発国土のため党に政権参加を求める可能性が高いという。
各種世論調査では、タイ貢献党が民主党をリードしているとの結果も出ているが、タイ貢献党が政権を構えるには、過半数を超える議席を獲得するか、中小政党を取り込むしかない。
なお、民主党連立政権の第2党だった国家威信党と組めば盤石な政権実現が可能とみられるが、タイ貢献党は今のところ、国家威信党を率いる元タクシン派ネウィン氏との確執などから、同党と連立を組むことはないと明言している。』
テレビを見てても、なんとなく人気の高さと華やかさが伝わってくるインラック氏は慎重なようで。
『民主党がアピシット党首(首相)とのテレビ公開討論を申し入れていることに対し、タイ貢献党の比例選名簿1位インラック氏は5月30日、「討論会のタイミングが適切なら応じる」と述べ、これまでと同様に明言を避けた。
タクシン元首相の実妹である同氏は、タクシン支持者には非常に人気があるものの、政治経験がなく、このため、「政治討論ではアピシット氏に歯が立たない」というのが大方の見方。関係筋によれば、「論戦にたけたアピシット氏と討論すれば、やり込められてイメージに傷がつく。かといって、言下に拒否すれば、逃げていると受け止められかねないので、言を左右に最後まではぐらかし続けるつもり」とのことだ。
また、「国家威信党がタイ貢献党と連立政権を構える意向」との報道について、インラック氏は、「知らない」と述べるとともに、「(タイ貢献党政権に国家威信党が参加する)可能性について話すのは時期尚早。選挙結果が出てからの話」と、同党に言及するのを避けた。』
結局、国家威信党との連立はほぼ否定されたようですが、
『タクシン派・タイ貢献党幹部のナタウット、プロートプラソプ両比例選候補は5月31日、同党が国家威信党と連立政権を組む可能性はきわめて低いとの見方を示した。
国家威信党の最高実力者ネウィン氏や前議員らは、2008年12月のタクシン派政権崩壊時にタクシン派から反タクシン派に寝返った裏切り者であり、タイ貢献党は、「同党が総選挙に勝利しても国家威信党を政権に参加させることは考えていない」としている。
一部報道によれば、国家威信党はタイ貢献党サイドにつく可能性を示唆しているが、ナタウット、プロートプラソプ両氏は遊説先で、国家威信党について、「いっしょに仕事をすることはない」「連立を組むことは困難、不可能」と明言した。 』
タクシン自身は政界への復帰は考えていないと宣言しているようですが、もしタイ貢献党が勝ったら実質はタクシン派による勝利みたいなもの。タイ貢献党が掲げるスローガンは、最低賃金の底上げや教育費無料など、大衆迎合型なものが多いですが、政治混乱が収束しない限りは意味がないと言う意見もあります。
タクシン派と反タクシン派との間で政権が行ったり来たりするよりは、新しいリーダーが誕生するのが理想的なんでしょうが、そう簡単にはいかないんでしょうね。