いよいよ今週日曜に迫った総選挙。一昨日の日曜日には不在者投票が行わ、全国で140万人が投票をしたそうです。
ここまで来ると、もうどこの通りを歩いていても候補者の立て看板がびっしり、郊外の住宅街にだって選挙カーが乗り込んでくる状態。ただ都心部の選挙カーと違って、こちらに来るピックアップトラックに候補者は乗っていません。選挙運動員らしきおじちゃん、おばちゃんたちが「○○でございまーす」的なメッセージは拡声器からの自動音声に任せ、後ろの荷台に座って談笑してたりします。
さて、先週の木曜日23日に、以前タクシン派が座り込みを続けた因縁の場所ラッチャプラソンで、現首相であり民主党党首のアピシット氏が演説を行いました。タクシンの末妹インラック氏が優勢と言われ、民主党は苦しい状況にある今回の選挙戦、あえてこの場所で演説を行うことで、タクシン派がこの場所で何をしたか、どんな厄災をもたらしたかを市民に気づかせるのを狙ったようです。
一方、インラック氏はタクシンと血はつながっていても、政治のつながりは持たないときっぱり宣言しました。
毎日新聞より
『7月3日投票のタイ総選挙で、優勢を保つタクシン元首相派野党「タイ貢献党」の首相候補、インラック・シナワット氏(44)が27日、毎日新聞などと会見した。実兄で海外逃亡中のタクシン元首相の「操り人形」との見方を否定し、タクシン氏の帰国・復権につながる恩赦も「兄のためには行わない」ことを強調した。
インラック氏は「私は兄から経営やビジョンを学んだ。私の思考回路は兄と同じ。だが指導者としての意思決定は自分自身で行う」と訴えた。恩赦についても「(タクシン、反タクシン派の間の)国民和解のための手段。(現政権が設置した)国民和解委員会と協議して決めるが、兄のためには行わない。選挙後も兄は海外にとどまる」などと述べ、首相に就任しても兄の帰国・復権に取り組む考えのないことを強調した。
選挙戦でインラック氏は「タクシン色」を払拭(ふっしょく)することで国民の幅広い支持獲得を狙っており、こうした姿勢を反映した発言とみられる。
また「少なくとも議席の過半数を獲得する」と単独で政権樹立が可能な下院での過半数確保に自信を示した。国政の最優先課題については「国民は生活費の上昇に苦しんでいる。物価上昇を抑え生活を改善する」と表明。タイ初の女性首相候補として「国民和解へ向け、非暴力の象徴である女性が首相になるのはよいこと」とアピールし、「夫と子供は私の立場を理解し、支持してくれている」と話した。』
こらまでタクシン派、反タクシン派が政権を奪い合ってきましたが、今回もしインラック氏が勝った場合、どうしてもタクシン派の勝利と言わざるを得ませんが、ここで一度女性首相が挟まれることで、ギスギスしている政治がマイルドになるかもしれません。
それにしてもこのインラック氏、私が以前日本で働いていた会社の女社長に似ている。華やかさと優しさを全面に出してビジネスに成功したのはいいのですが、うまくいきだしたところで旦那が少しずつ後ろで操りだし、最終的には失敗。
インラック氏が首相になった場合、自分で宣言しているとおりにご自身の力で、良い方向に政治を進めてもらいたいものです。