2011年の10大ニュース

2011の10大ニュース.jpg今年は本当に様々なことが起こりました。個人的には思いもよらぬ悲しいことからスタートした1年、その直後に母国を襲った東日本大震災、タイにいる誰もが津波の映像を見ながら水の恐怖に怯え、2004年に起きたスマトラ地震を思い出し、そして雨季の終盤からバンコクにまで洪水が押し寄せ・・・と、どうしても自然災害の痛ましい映像がまず浮かぶ1年でした。

しかし、その一方でその悲しみを癒す、また悲しみを元気に変えるパワーも十分に感じた1年であり、自然が脅威に変わったときに一致団結して助け合う、日本とタイを越えた友情に感動することも度々ありました。アジアの経済情報を伝えるNNA.ASIA社が発表した2011年の10大ニュースに乗っ取って、改めて今年を振り返ってみたいと思います。

NNA.ASIAより

自然の力に圧倒された1年だった。政治的混乱から抜けだし、好景気を謳歌しようとしていたタイ経済に痛手を与えた3月の震災。傷まだ癒えぬうちに国の中枢を襲い、政権交代の興奮もインラック・フィーバーも流し去った洪水。いずれも「未曾有」あるいは「想定外」と形容された2つの大災害は、在タイの日系企業をいやというほど翻弄した。危機だからこそ見えてきたものもある。震災がタイの国内産業を苦しめ、洪水が日本の企業を減産に追い込む構図は、両国経済がいかに密接に結びついていたかを再認識させた。日本が一番つらい時にタイから差し伸べられた援助の手。浸水した工場よりも、従業員の生活を第一に守ろうと心を砕く日系企業の姿。長年培ってきた互いの信頼と尊敬が示された年でもあった。

来たる2012年は復興の年になる。双方が本音をぶつけ合い、手を携えて再生と災害対策に取り組めば、日タイの絆はさらに深まるに違いない。

タイを襲った洪水.jpg【第1位】大洪水、世界を揺るがす

【第2位】タクシン派が政権奪還、女性首相誕生

【第3位】震災の影響、タイにも広がる

【第4位】エコカー続々、新モデル登場

【第5位】最低賃金300バーツ、産業界に重荷

【第6位】ユニクロ進出、目指すは国民ブランド

【第7位】カンボジアと衝突、新政権は和解

【第8位】泰日工大1期生が卒業、日タイ架け橋に

【第9位】タクシン氏の恩赦断念、旅券は再発給

【第10位】牛丼ブーム到来?大手相次ぎ上陸

【番外編】次官汚職疑惑、泥棒きっかけに浮上 

3月11日、日本で大地震が起きたとき、ニュースを点けっぱなしにしながら家事をしていたのですが、中国のテレビ局からの映像を見ているときは、まだそれが日本で起きていることだとは思いませんでした。その後、徐々に日本で地震が発生したというニュースが、日本大使館、日本人会、友人からのメールなどで具体的に伝わってきて、改めてテレビを点けたときに目にした、悲惨な映像に胸が苦しくなったのを今でも強烈に覚えています。

津波の映像がタイでも流れました.jpgすぐに日本の実家に電話を入れるもつながらず、乳飲み子を抱えた妹の携帯もつながらず、取り急ぎメールを送ったところ、日本国内でも電話がつながりにくく母と妹が連絡の取り合えない状況、そこで私が中継点となって、日本の家族親戚のメールを取り持ちました。ようやく地震の状況が見えてきて、日本の家族同士も連絡が取れるようになったころに起きた原発事故。大変なことが起きているのに、日本にいる人ですら本当に起きていることがわからない状況が、私は不安でなりませんでした。見えない恐怖、見えない出口、何が危険で何が安全かがわからない中での生活ほど、ストレスになるものはありません。タイにはまだ原発はありませんが、原発の開発計画が日本の事故を受けて延期されました。

また、地震発生直後からタイでも日本への義捐金を集める動きがあり、私が日本人だと知ると友達だけでなくタクシーの運転手さんや知らない人からもお見舞いの言葉をいただきました。

そして後半にタイを襲った大洪水。ブログでも綴ってきましたが、いつ来るかもわからない洪水の波に怯え、最終的には親戚宅に非難となった我が家。洪水そのものは収束したように思われますが、いまだ浸水している地域はありますし、水が去った後蚊が大量発生したり、土嚢が放置されていたり、「来年も来る」という恐れがあったり、まだ完全に洪水から立ち直っているわけではありません。地震や津波と違い、タイの洪水は人災とも言われています。もとは大量の雨水が引き起こしたものではありますが、長年に及ぶ森林伐採、産業化で水が自然に戻りにくくなってしまったこと、また8月に政権が変わったタイ貢献党インラック首相の采配が悪かったと言う見方もあります。

インラック首相来年は?.jpgこのインラック首相が掲げてきた公約、最低賃金引き上げ、減税などかつてのタクシン政権のばらまき手法を思い出す政策も少しずつ実施されていますが、今回の洪水を受けて私が感じたのは、基盤をしっかりしてほしい。頑丈な地盤、きちんと排出される地下排水溝など、人々が生活をするインフラを固めていただきたい。タイでのスマホ普及率が急激に伸びていますが、いくら一人一人がハイテクになっても基盤がぐらついていては人々の幸せ、国の繁栄には結びつきません。テクノロジーで自然はコントロールできないですからね。

2012年は、首相の兄タクシン氏の動向も注目されるでしょう。今年は目立った政治騒乱はなかったものの、タクシン氏が帰国となればまたタイの内輪もめが再発することは必須です。これ以上天災と人災を繰り返さないよう願うばかりです。