土曜の午後、ちょっと小腹が減りました。本格的にご飯は食べたくないけど何かつまみたい、タイにはそんなニーズに応える食べ物が実に豊富です。
もともと、1回の食事の量が少ないタイ。ラーメンなんか日本の半分だし、ご飯ものは女性でもお代わりがいけそうなくらいの盛り。じゃあ、タイ人は小食なのかというそうじゃない。「少ない量を回数を分けて食べる」、これがタイ人の食べ方です。
なので、間食と食事の中間くらいに位置する食べ物が実に豊富。たとえば、ルークチン(肉だんご)、トーフートート(揚げ豆腐)、トートマンプラー(魚のすり身揚げ)、グイチャーイ(にら饅頭)などなど。市場やフードコートに行くと、片手でつまめるおやつが必ず売られています。
ただし、これらの食べ物は野菜が少ないのが欠点。ですので、栄養面を気遣う人は間食に果物を好みますね。ビタミン、ミネラル、繊維などが摂取できますし、けっこう腹持ちも良いですから。
私も家にいるときの間食は果物をメインにしていますが、昨日は果物というより野菜が食べたかった。遅い朝ごはんが肉メインだったこともあり、体が野菜を欲していました。
パタパタとキッチンの戸棚を開いて目に付いたのが、「ウンセン」。春雨です。
冷蔵庫を開けてみれば、タイママ特製のシーフードタレ。
おかず棚の中にはきのこを煮ただけのものがある。
即席ヤムウンセンを作ることにしました。
「ヤム」は和える、「ウンセン」は春雨ですから、ヤムウンセンとはつまり「タイ風春雨サラダ」のことです。基本的なヤムウンセンは、茹でた春雨に炒めた豚のひき肉、イカ、海老ににんじん、ねぎ、紫たまねぎ、パクチーなどを混ぜて、レモン、ナンプラー、そして唐辛子をつぶしたもので和えます。
しかし、昨日の我がに家はひき肉もイカも海老もなかった。でも、タイママのタレという強い見方がある、ということで私が作った「即席ヤムウンセン」のレシピを紹介しましょう。
まずは、春雨を熱湯に3分ほどくぐらせます。インスタント麺を作る要領で春雨を器に入れ、そこに沸騰したお湯を注いで待つだけ。3分したら、お湯を捨ててざるに上げておきます。子供も食べたいという場合は、辛い味付けをする前のこの段階でとりわけ、はさみを入れて食べやすくしておきます。
どんぶりに、春雨、茹できのこを投入。
タイ、特に中華系の間では、3種類のきのこを食べると良いとされていて、我が家でもとりあえず茹でたり、スープにしたり、バターで炒めたりします。この日の3種は、袋茸、えのき、しめじ。きのこ類は言わずとしれた低カロリー食材。ビタミンや食物繊維が豊富で、うまみ成分も含まれているので、タイの食卓でもよく使われます。
特に二つに割ると人間の鼻のように見える袋茸は、炒め物、和え物、カレー、スープなどに多様されます。きのこ自体の味は地味ですが、火を通すととたんに名脇役になる食材ですよね。
きのこを入れたら、次は冷蔵庫にある好きな野菜を入れます。あいにくネギまで切らしていたのですが、トマト、にんじん、そしてタイハーブがありました。パクチー、パクチーファラン、ミント、そしてディルを手でちぎって入れます。
そして、タイママオリジナルのシーフードタレの登場です。このタレは、レモン、ナンプラー、にんにくに一番辛い唐辛子プリッキーヌーを混ぜたもの。黄緑色をした辛酸っぱいタレで、魚や海老を焼いたり蒸したりしただけのシーフード料理を食べるときに付けていただきます。
このタレをスープスプーン2杯ほどふりかけて、後は混ぜるだけ。
これでヤムウンセンの完成です。
なんて低カロリーで、栄養満点で、お腹に溜まる一品でしょう。肉魚が一切入っていないにも関わらず、しっかりした味が付いているので食べ応えがあります。辛いんだけど、レモンの爽やかな酸味があって、春雨がつるつると進みました。
このシーフードタレは市販のものもありますので、冷蔵庫にあるもの、余りもので皆さんも即席ヤムウンセンを作ってみませんか。