タイの調味料3

味ぽん.jpgタイの味を作る4つの味覚「塩味」「酸味」「辛味」「甘味」。これまで「塩味」(http://www.thaiworker.net/cat591/seasoning-thai-1.html)と「甘味」(http://www.thaiworker.net/cat591/seasoning-thai-2.html)について紹介しました。

今日は3つ目の味として「酸味」についてお話したいと思います。

日本の実家では健康至上主義な母の影響もあり、台所にはお酢系のものが多かった。料理用の普通のお酢、りんご酢、黒酢などの飲むお酢。そして、ポン酢は強制的に醤油の代わりとして使わされたものです。

「体に良い」イメージしかなかったお酢を、ある日タイに来て、当然のように日本の感覚でどぼどぼとタイのラーメンに投入したら、旦那が「そんなに入れたら体に悪い!」と一言。「え?タイのお酢は体に悪いの?」と驚いたのですが、タイではお酢は「胃への刺激が強い」ものとして、日本の塩や砂糖並みに「控えめに」使うものとされています。刺激だったらよっぽど唐辛子などの辛さの方が強いと思うのですが、どうも違うようなのです。

手前がお酢唐辛子入り.jpgタイでは日本のような透明液体のお酢は、刻み唐辛子を入れて麺やおかゆ屋さんの調味料として出てくるくらい。私は母の影響もあり、とんこつラーメンなどこってりしたスープの麺物には特にたくさんお酢を入れるのが好みですが、タイ人は一般的に入れないもしくは小さじ少々程度くらいしか入れません。

またパックドーンという、日本の酢の物にやや近い食べ物がありますが、これはカノムジーンという魚のすり身などから作る、ココナッツ入りこってりピリ辛カレーの素麺掛けの添え物として出てきます。また、ムーサテという豚串焼きの口直しとして、甘味ととろみが少し加わったお酢にきゅうりや赤たまねぎを入れたものを頂きます。こちらも、ムーサテのタレがピーナッツたっぷりのこってりしたものですから、その対象として合わせられているような感じですね。使い方や量は多少違えど、こってりしたものの付けあわせとして出てくる点では、日本もタイもお酢を使う感覚は近いのではないでしょうか。

ところで、冒頭にも書きましたが、タイ料理には4つの味が融合して始めて美味しいのが特徴。ではその「酸味」を作るのに「お酢」を使っているのかというと、実は違う。トムヤムクンのすっぱさも、ゲーンソムの想像するだけで頬の内側がくぼむようなあのすっぱさは、お酢とは別のものから作り出されています。

これがタマリンド.jpgそのひとつが「タマリンド(マッカーム)」。タマリンドはマメ科の一種で、殻から取り出すとべとべとしているのですが、そこに砂糖や唐辛子などから作られる味付けパウダーを密着させておやつとしていただくのが有名です。ビタミンCと繊維質が豊富で栄養価も高いタマリンドですが、生で食べるとかなり酸っぱく、主に料理用に使います。代表的なものとしては「パッタイ」。あの少しとろりとした甘酸っぱさはタマリンドによるもの。タマリンドと前回紹介した椰子砂糖で作るソースを揚げゆで卵に掛けて頂く、カイルーククイも子供に人気の料理ですね。

タイのレモンマナオ.jpgそしてもっとはっきりした酸味を出すものとして重宝されるが「レモン(マナオ)」です。タイのレモンは皮が緑で小粒。見た目は日本のかぼすと似ています。このレモンを絞ったものと、ニンニク、青唐辛子、ナンプラーなどと混ぜたシーフードースは我が家の定番ですし、またソムタム(青パパイヤのサラダ)にも欠かせません。

このほかに「こぶみかん(マクルート)」の実をカレーと煮込んだり、葉はトムヤムクンの風味付けにも使われます。味そのものに酸味はありませんが、柑橘系の香り付けとして「レモングラス(タッカーイ)」もありますね。

タイの「酸味」を作るものは実はこんなに種類があるのです。タイ料理を食べるときに、是非意識してみてください。