タイでコーヒー

ドトール派.jpg日本で働いていた頃、とにかくまっすぐ会社に行けませんでした。毎朝満員の電車と地下鉄を乗り継ぎ、無事地上に出た時点でへろへろの私が向かうのは「ドトール」「エクセルシオール」「タリーズ」「スタバ」などのカフェ。ここで一息付いてから、会社に向かうのが習慣でした。

仕事帰りに同僚とお茶、休みの日に読書がてら、チェーン系のカフェにどれくらい足を運んだことか。中でも私がひいきにしていたのが「ドトール」。ここは、カフェより喫茶店色が強く、コーヒーの値段はスタバの半分くらいですが味は確か、ちょっと小腹が空けばベーグルサンドがあったり、仕事場や自宅近所のお店には相当通い詰めました。今も、一時帰国すると子連れでも駅前のドトールに立ち寄る癖が抜けていません。

デパートのカフェスタンド.JPGそんな私がタイに来て、さて困った「喫茶店がない」。カフェはあります。独身時代はトンローに住んでいましたから、おしゃれなカフェはたくさんあります。スタバもあります。でも、私が飲みたいのは可愛いアートが施されたカプチーノではなく、アイスコーヒー。ガムシロップ2個入れて甘くした濃い目のアイスコーヒーを、ストローでぐるぐるかき混ぜて飲みたいだけ。素敵なインテリアに囲まれて長居する気は毛頭なく、ちょこっと一息するだけ。

日本ではどこの街に行こうと、どこの駅で途中下車しようと、簡単に叶えられたこの願望。それがタイでは、この手の喫茶店を探すのに一苦労、というか無いのです。

バイクタクシー通勤だったタイでのOL時代、ビル前に乗り付けてそのままオフィスに直行していた私ですが、同僚の何人かは美味しそうにアイスコーヒーを飲んでいる。それも、私が欲する甘くて冷たくて、氷がじゃらじゃら入ったコーヒーを。

コーヒー屋台.jpg聞けば、会社前の通りを渡ったところにコーヒー屋台が、ビル1階奥にもコーヒースタンドがあるとのこと。なるほど、日本の喫茶店のようにちょっと座ってささっと一服的な場所でないにせよ、朝のコーヒーをお手頃価格で売ってくれる店があるというわけです。早速、上司の目を盗んで同僚にコーヒー屋台に連れて行ってもらいました。

メニューは、コーヒー、カプチーノ、エスプレッソ、ブラック、ココア、ミルク、タイ紅茶などがあります。どれも、ホット、アイス、そしてタイならではの氷とミキサーに掛けるスムージーの3種類。

オーリアン.jpgまた、注目したいのはコーヒーが2種類あること。1つはネスカフェ、粉末タイプのコーヒーをお湯で溶いたもの。タイでコーヒーといえば、実はネスカフェが主流で、我が家も朝のコーヒーはこちら。味がしっかり濃い目で、日本の実家のコーヒーメーカーで入れるコーヒーは今となっては薄く感じます。このネスカフェを基調にしたものと、もう1つは「カフェボーラーン(昔ながらの伝統的なコーヒー)」。コーヒー豆を挽いたものを、大きな茶漉しに入れて熱湯で入れたもの。こちらを基調にした場合は、豆本来の味を楽しむためにオーリアン(ブラックコーヒーにたっぷりお砂糖を入れたもの)が美味しいですね。

カフェボーラーン.jpg何を注文しても、まずはビールグラス位の大きさのグラスに、ホットを作ります。甘くて有名な定番タイアイスコーヒーは、お砂糖とノムコン(練乳)とコーヒーメイトの層がグラスの半分近くまでに達したところにコーヒーが入り一気にかき混ぜ、クラッシュアイスがぎっしり詰まった容器にザーッと流し込まれます。作っている様子を見ると糖分の多さに卒倒しそうになりますが、ここは屋台。店主に「砂糖少な目」「ノムコンは入れないで」などの加減をリクエストすることができ、常連になると何も言わずにお好みどおりに作ってくれます。 

その後結婚して郊外に移り住んでからは、朝と夕方に来るバイクのカフェ屋台、ガソリンスタンドにある喫茶店、スーパーやデパートのカフェスタンド、集合住宅街の中の自宅を改装したカフェなどに旦那と行ってみたり、そこで作り方を教えてもらって家で実践したりと、少しスタイルは変わったにせよ今も日本の喫茶店的なコーヒーを楽しんでいます。