私の父は大の靴好きでした。天井まで届く、くくりつけの下駄箱はいつもぎゅうぎゅう。日曜日になると、その扉を開けて靴磨きをしていましたね。
私の母も靴を大切にする人。私が生まれる前、まだ女性の社会進出が一般的でなかった時代に外資系会社で総合職をしていた母は、ヨーロッパに出張、短期滞在などをよくしていたようで、
「ヨーロッパではブティックやレストランでは、まず足元から見られるから、いい靴を履きなさい」
と言わたものです。
こんな両親の元で育ちましたから、私が靴フリークになったのは言うまでもなく、日本ではとあるヨーロッパの名門ブランドの靴の仕事をしていたこともあるほどです。
その会社の部長職の女性は、なんと家に「靴部屋」があると言ってましたが、私だってできることなら、Sex&The Cityのキャリーばりの靴専用ルームが欲しい。
ちょうどその会社に勤めていたときから、私のタイ通いがスタートしたのですが、タイに来る度に5足は靴を購入。中でも、伊勢丹のあるセントラルワールドが、まだワールドトレードセンターという名前で、今工事中の元ZENデパートの女性靴売り場が大好きでした。
私が仕事で関わっていた靴は、1足5万円くらいだし、革底だし、雨の日は履けないし、電車乗ってあちこち出かけるような靴ではありませんでしたから、いくら社員割引があったってそうは履けない、非実用的、というか、非日常的な靴ばかりでした。そこがまたいいんですけど。
一方ZENの売り場に並んだ靴は、なんと言ったってタイのお天気と、ガタガタな道路事情を踏まえて作られている。靴底は最初からゴム貼り、5センチ位の中ヒールのデザインが豊富、ペタンコ靴も可愛いものが多かった。デザインにしても、アジアンテイストがしっかり出たものから、ベーシック、トレンド、仕事用まで豊富。そして、何より3千円で1足買えてしまう値段も魅力で、毎回大量購入。
今でも、実家の下駄箱を大量に占めている私の靴たちですが、タイに移り住んでらは、滅多やたらに買うことはなく、好きなブランド、好きな店での目的買いになりました。
どうも靴のこととなると力が入りすぎて、前置きが長くなってしまいましたが、今日紹介するブランドは、タイで私がお気に入りの靴ブランドのひとつです。
Charles&Keithは、1996年に設立されたシンガポールのブランドで、シンガポール以外にもタイをはじめとする東南アジア、中国、それからサウジアラビアなど中近東で展開されています。
タイでは、セントラルワールド、パラゴン、サイアムセンターなど都心の大きなデパートはもちろん、郊外のショッピングモールにもお店が入っています。
取り扱いは靴、バッグ、ベルトとサングラス。バッグだけ見ると、ちょっと年配向けかなという落ち着いたデザインが多いのですが、ここはやっぱり靴。なんといっても靴です。
売り場の4面の壁、そして中央の台にそれぞれテーマを設けて靴がずらっと展示されているのですが、可愛い系(つま先が丸いタイプ)、楽系(ペタンコサンダル)まじめ系(オフィス使いパンプス)そしてデザイン系(トレンドを追っている)に分かれています。
私が好きなのは、なんと言ってもデザイン系。ヒールは高めが中心。最低9センチはあります。流行を追っているとは言っても、決して奇抜ではなくあくまでも足を美しく見せることに重きが置かれているものばかり。
ここ数シーズンはお出かけ靴ばかり購入しています。一番最近買ったのが写真のこちら。トラッド系なデザインなんですが、コルクを入れたウェッジソール、ヒールはかなり高いので車でのお出かけの時専用です。ワンピースに合わせれば大人しく見えますが、ショートパンツにボーダーシャツなどのマリンっぽい格好との相性も良い。
価格帯は、1500バーツくらいから。ヒールが低いシンプルなものは2千バーツ以下ですね。シンガポール人の友達は、それでも「シンガポールの倍くらいだ!」と言いますが、タイでももうすぐ始まるセールがスタートすれば、30から50%オフになります。セール時はカタログに載っている人気商品はあっという間に売り切れますから、サイズOKだったら即買いをお勧めします。
最後に、履き心地はどうかと言うと「普通に良い」。靴メーカーの靴はちゃんと足のことを考えて作られてますからね。以前ZENで買った靴は、階段を下りているときにいきなり甲を支える部分がパカッと外れたことがありますが、こちらの靴は丈夫です。
デパートで見かけたら是非お試しください。
Charles&Keith ウェブサイト http://www.charleskeith.com/CK/home